【恒松祐里 新春インタビュー】Netflix『今際の国のアリス』シーズン2に出演中「ヘイヤのことを思うと胸が熱くなります」今月からドラマ『リバーサルオーケストラ』もスタート
昨年は主演映画『きさらぎ駅』が公開されたほか、『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)など連ドラでも活躍した女優・恒松祐里さん。2023年も1月スタートの連続ドラマ『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)にレギュラー出演するほか、先月22日にスタートしたNetflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン2にヘイヤ役で出演しているのも話題だ。そんな彼女に新たな作品への取り組みのほか、プライベートについても明かしてくれた。
--『ザ・トラベルナース』での好演も話題ですが、1月からも『リバーサルオーケストラ』に出演。連続ドラマが続きますね。
「なんか続いてますね(笑)。嬉しいです」
--体調的に問題ないですか?
「私は全然……。『トラベルナース』はもう撮影が終わっていて(取材は12月初旬)、11月はお休みももらったので、体調はバッチシでございます(笑)」
--『リバーサルオーケストラ』は、弱小オーケストラの団員たちの奮闘ぶりを描く作品です。
「はい。私は門脇麦さん演じる元 天才バイオリニスト・初音の、同居する妹・奏奈(かんな)役。お姉ちゃんがあるきっかけで人前でバイオリンを演奏することをやめてしまったんですけど、ストーリーが進んでいく中で、オーケストラに参加して人前で演奏できるようになっていき、私はそれを応援していく役柄です。作品ではほかのオーケストラの団員さんの物語もたくさん描かれています」
--ほんわかとした、とってもあったかな雰囲気を感じる作品ですね。
「はい。台本を読んでいても、すごくあったかいシーンが多くて、登場人物がみんな優しい。みんな音楽が好きだから続けているけど、弱小オーケストラなのであまり上手くいってない。辞めたほうがいいんじゃないかという気持ちにもなるけど、やっぱり好きだから努力して、成長できるように、みんな頑張ろうという、チーム戦のドラマであるので、見ていてあったかい気持ちになれる要素がたくさんあります」
--弱小スポーツチームものでもそうですが、こういうタイプのドラマは見ていて登場人物たちに肩入れしたくなりますね。
「今回の作品では音楽もちゃんと扱っていて、私は演奏シーンはないんですけど、みなさんからの音楽でも伝わってくるパワーがあるんじゃないかなと思います。楽しみです」
--恒松さんは今回はオーケストラ団員役ではないですが、こういう楽器やスポーツなど事前に練習しなければならない役柄を経験したことは?
「ありましたね。演奏する作品も、吹奏楽部部員だったりだとか。朝ドラ『おかえりモネ』(2021年)でも演奏するシーンがあったり、私結構プレイヤー側が多かったので、今回は珍しく見守る側ですが、プレイヤー役の大変さはわかるので、私もできる限り支えていきたいです」
--一緒になるシーンが多いのはやっぱり門脇さんですか?
「そうですね、一緒に住んでいるので」
--今回が初共演?
「はい。楽しみです」
--門脇さんといえば、最近だとドラマ『親愛なる僕へ殺意を込めて』(フジテレビ系)でも見せていたエキセントリックな演技が目立つイメージもありますが。
「そうですよね。でも今回はとても優しいお姉ちゃんという感じで、どんなお芝居を見せていただけるのか楽しみです」
--恒松さん演じる奏奈の性格は?
「すごく社交的で、やさしくて、目上の人にでも思ったことをハッキリ言えちゃうような、素直な子です」
--今回の作品で自分にとっての挑戦と思っていることはありますか?
「みなさんとの芝居の掛け合いですかね。いろんな年代の方がいらっしゃるので、どういうふうに芝居で奏奈ちゃんという役柄の印象を残せるかというのは、挑戦というか、頑張りたいところです。みなさん個性的なキャラクターばかりで、その中で埋もれないように頑張りたいです。あとは、現場でみなさんとの絆を深めたいです」
--そしてNetfrixドラマ『今際の国のアリス』シーズン2が一足先にスタートしました。『リバーサルオーケストラ』はほんわかとした日常を描いた内容に対し……。
「これは本当に非日常的ですからね(笑)」
--こちらの撮影は……。
「撮影は昨年(2021年)に終わっています。昨年1年間ずっと撮影していました」
--Netflixドラマといえば、恒松さんの体当たりの熱演が話題になった『全裸監督2』に続いての出演となりましたが、今回の出演もオーディションで決まったんですね。
「ちょうどオーディションの前日が『全裸監督』のキャスト解禁日でして、それを自己紹介でアピールポイントに使おうと思って、『全裸監督に続き、この作品にも出て、Netflix女優になりたいです!』とアピールしました。この作品と『全裸監督』がNetflixドラマの2大作品というイメージだったので、“両方に出てやるぞ!”という意気込みでオーディションに臨みました。台本をいただいて、また原作も読んでいく中で、ヘイヤちゃんという役にすごく惹かれて、演じたいという気持ちが強かったので、お芝居の面でも気合いを入れて、というかお芝居の面こそ気合いを入れて!」
--ヘイヤのどういうところに惹かれましたか?
「まず強さですね。それは単なる強さではなくて、悲しみや悔しさを乗り越えての強さで、そういうところに強く惹かれましたし、それをちゃんと描くシーンがシーズン2の中でもあり、そのシーンをオーディションで演じました。ヘイヤという役と向き合いながら、オーディションに臨めたなと思います」
--役作りで、台本で描かれている部分だけじゃなく、それ以外の彼女の人生も考えたり?
「していましたね。ヘイヤというのは原作の中でも、お母さんが不倫していて、不倫相手と旅行しているときに事故に遭って亡くなったという事情がある子で、それを友達に平気で言えちゃうような、それは弱さの裏返しだと思うんですけど、そういう部分もあって……。お母さんに対してヘイヤは“クソババァ”って呼んでいるんですけど、亡くなったお母さんに向け“クソババァへ”と文句と悲しみを綴った手紙を書いたり、あとは今際の国に入ってから何日か経っている設定だったので、その間に何があったのかを考えてメモしたりしていました」
--実際のご自身の家庭ではそこまでつらいことはなかったと思いますが……。
「私の家族は楽しく平和なので……。でもヘイヤと同じような環境でなかったとしても、私の性格上、結構悲しいことがあっても誰にも見せない。隠してしまうところがあって、多分そういうところでオーディション時から共感できて、自分の持っている性格の部分と併せてお芝居していたのかなと思います」
--仕事に限らず、壁にぶつかったり悩んだりしたときにも、自分の中に閉じ込めてあまり周りに相談しないタイプ?
「本当の悩みは話さないかもしれないですけど、でも話せる部分は周りに話すかもしれないです。話す相手もいると言えばいますけど(笑)」
--すべてを閉じ込めてしまうというわけではなくて……。ところで、これまで演じてきた役柄はもちろん全てに思い入れはあると思うんですけど、ヘイヤ役は特に思い入れがあったようですね。
「今でもヘイヤのことを思うと胸が熱くなりますし、今後私の心に残り続けるキャラクターだと思います。性格的に似たところがある役だったので、すごく思い入れが強いですし、愛おしいキャラクターです」
--共演するシーンが多かったのは?
「アグニ役の青柳翔さん、あとはたまにアリス(山﨑賢人)も。アグニと一緒に森の中に潜伏しているので、あんまりほかのキャストと会うことがなくて、基本“木とアグニ”みたいな感じでしたから(笑)。地方でロケをしていたんですけど、お休みの日もあり、そのときは周りに何もなかったので、ずっとポケモンGOをやっていました(笑)。撮影の日の待機時間にもホテルの周りでポケモンを捕まえてたら、青柳さんがいて、“あ、やってるんだ”って(笑)。二人でポケモンGOをやっていました(笑)。ヘイヤとアグニが深い絆で結ばれた役柄だったので、半年以上の撮影を通して、その関係性を役を通して作っていく作業も楽しかったです」
--放送直前となった今の気持ちは?
「やっとですね! もうずっと撮っていましたから、なんかすごく“やっとだ!”という感じですね。周りでもシーズン1を見てくださっている方も多いし、原作を好きな方も多いので、そういう方たちの期待に応えられたらいいなと思いました」
--作品全体として、そしてヘイヤの見どころは?
「シーズン1からパワーアップした映像美だったりアクションだったり、また1以上に描くキャラクターたちそれぞれの生き様を描いているところは、ヘイヤという役も含めて、注目して欲しくて……。そしてヘイヤという役については、生き様ももちろんそうですけど、足を失って義足になって、義足とプラス弓矢で戦っていて、アクションシーンも両手両足が使える状態でなくて、その状態でのアクションを、アクション部の方々と相談しながら頑張ったので、そこにも注目してもらいたいなと思います。あと、私の足が消えていることにも注目してもらいたいなと思います。CG担当の方が何コンマ何コンマという感じで私の足を消していただいて……」
--義足の役柄をリアリティを出して演じるのも苦労したのかも。
「そうですね。YouTubeなどを見て歩き方を研究したりして演じました」
--今年は連ドラが続いたり、主演映画が公開されたり、充実の1年になりましたね。
「この間、1月からカレンダーを見返して振り返ってみたんですけど、全部予定が埋まっていて、充実していたなと改めて感じました。いろんな作品に出演していましたし、いろんな役をやらせてもらいました。あと初めてのストレートプレイ(演劇/7月上演『ウェルキン』)をやりました。2度目の舞台です。主演映画(『きさらぎ駅』)が公開されましたし、たくさんありすぎて、盛りだくさんな1年でした。11月は少しお休みをいただいたんですけど、ほぼすべてのスケジュールが埋まっていて、ありがたかったです」
--11月の休みはご褒美?
「そうですね、やっと自分に戻れました。役ではなくて」
--役のことを気にしなくていい日は何をして過ごしていますか?
「結構インドア派で、家で物を作ることが好きなので、アクセサリーを作ったり、最近レゴにハマっていて、レゴで壁を可愛くアレンジしたり。それから久々におばあちゃんおじいちゃんの家に帰省したりだとか。あとはいつも会っている友達と洋服屋さん巡りをしたり、好きなドラマを見たりという感じです」
--友達は芸能界の友達が多い? それとも一般の友達?
「私は子どもの頃から芸能活動をやってきたので、子役をやっていて今はやめちゃっている子とか、子どもの頃に一緒にお芝居をしていた仲間に友達が多いですね」
--2021年は『今際の国のアリス』の撮影が長期で入っていたり、朝ドラも。両方長期間拘束の作品でした。
「そうなんですよ。三重人格というか(笑)、素の私と、朝ドラのスーちゃんと、今際のヘイヤが同時進行でいるという感じでした」
--一つの役に長期間じっくりに取り組むのと、短期間撮影の作品でたくさんの役を演じるのとどちらが向いていると思いますか?
「どっちも楽しいですね。じっくり取り組む役柄は思い入れがどんどんどんどん深くなっていきますし、単発でもいろんな現場で面白い人と出会えるというのは楽しいです。2021年は“この1ヶ月は朝ドラで、次の1ヶ月は今際”みたいに、そういう感じでうまくセパレートされていました。今際で地方に行くときはガッツリこもって撮影していました」
--2023年はドラマから?
「はい。そしてまだ公開されていない作品がいくつかあって、それがこれから情報解禁されて、2023年みなさんに観てもらえると思いますので、楽しみにしてほしいです」
--2023年の新しい挑戦、そして今後の目標があれば……。
「今後も舞台は引き続きやっていきたいですし、長期的な目標だと、昔から海外ドラマが好きでずっと観てきたので、いつか海外の作品に出演できたらいいなと思います。まずは、2023年、今まで以上にお芝居とがっつり向き合っていきたいなと思います!」
〈プロフィール〉
恒松祐里(つねまつ・ゆり)
1998年10月9日生まれ、東京都出身。
これまでドラマ『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(日本テレビ系、※ヒロイン)、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』、Netflixドラマ『全裸監督 シーズン2』、『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)、映画『その⼀⾔がいえなくて』(※主演)、『凪待ち』(※ヒロイン)などに出演。現在Netfrixドラマ『今際の国のアリス』シーズン2に出演中。1月期水曜ドラマ『リバーサルオーケストラ』1月11日(水)日本テレビ系にて放送スタート。
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