【東京女子流インタビュー】新曲『2:30am』をリリース「それぞれが愛おしく思う存在が近くにいて、その人と過ごす時間は自然と笑みが溢れて…」

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東京女子流
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4人組ガールズグループ・東京女子流が新曲『2:30am』(読み:トゥーサーティー・エーエム)を18日に配信リリースした。今年14周年、メンバー全員が20代後半を迎え、ここ数年大人の恋愛を歌う機会も増えている彼女たちだが、今回はまたテイストの違う大人の歌を表現。そこに込められた思いを聞いた。

--ここ数年『ストロベリーフロート』(2021年)など大人の恋愛を歌う機会も増えている東京女子流ですが、今回はまたテイストが違うカッコよさ、オトナ感を感じる曲ですね。2022年のアルバム『ノクターナル』のメイン曲『Viva La 恋心』『コーナーカット・メモリーズ』を手掛けた、きなみうみ氏による作詞・作曲・サウンドプロデュースの楽曲となっています。

庄司芽生「約1年ぶりの新曲ということで、メンバーからきなみさんに熱烈なアプローチをさせていただき、新曲を制作していただきました。ファンの方もとっても待っていてくださったと思いますし、今回ファン以外の方にも届く曲にしたいなと思っていたところで、『ノクターナル』でいろんな方からいい反響をいただいていたので、私たちは可能性を感じて、アルバムの代表曲を書いていただいた、きなみさんに『もう一度タッグを組んでお願いできませんか』とお願いしました。等身大の自分たちも大切にしつつ、でも大人っぽさやセクシーさも感じさせるようないいバランスで攻めていける楽曲ができたんじゃないかなと思っております」

--一般的に見られている女子流メンバーのイメージからしたらちょっと大人っぽくも感じますが、考えてみると全員20代後半を迎えるし、こういうテイストの楽曲がしっくりくるようになってきました。

中江友梨「『ノクターナル』の楽曲から、より等身大で自分たちも歌いやすくなったというか、それは、きなみさんが制作してくださる楽曲の力が大きくて、自分の中にすっと入ってきて……。これまでも背伸びしたり大人っぽい失恋ソングというのは女子流の楽曲で多かったのですが、もっと日常的で、普段感じるようなことだとか、女子流でいるとき以外にふと一人でいるときに感じる気持ち。“誰でも一度はこういうことを考えたりするな”“こういう気持ちを人に対して思うな”という何気ない気持ちとか愛情……大人になって、こういう感情になるということがわかるようになってきた私たちを、きなみさんが理解してくれて、それを汲み取ってくださって曲を作っていただきました。『2:30am』を初めて聴いたときに、“ああ、こういう優しい気持ちだったり、ふとこういうこと考えるようになったな”とか、特に夜に思うことがあって、夜がテーマの曲も前回の『ノクターナル』では多かったので、それでいい意味で自分の年齢を感じたので、自分の中にすっと入ってきました」

--歌詞の言葉数がそんなに多くない分、深みを感じますね。

中江「そうですね。捉え方がいろいろあると思いますし、さっき言った“日常”という言葉も歌詞に入っていたりするので、だからそれぞれの日常のなかで、こういう気持ちになったことがないかなと、言葉数が少ないゆえに捉え方がいろいろあるというのはいいなと思います。私たちと同じように、優しい気持ちとか誰かに対しての愛情……それが大きく膨らんでくれたら嬉しいなと思います」

--制作の段階できなみさんと話し込んだりもしたんですか?

庄司「それはメンバーを代表して私がじっくり話させていただきました。まずメンバーで話したときに、ここ数年いろんなジャンル、曲調に挑戦してきて、次々と変化していく女子流に面白さがあったと思うんですけど、やっぱり『ノクターナル』をリリースしてから、メンバーの心にも変化があり、“今の私たちが作り上げる東京女子流の世界観を確立していきたい”と話していました」

--メンバー自身で“今”の女子流のアイデンティティみたいなものに気付いて?

庄司「10代前半にデビューして、当時は背伸びした大人っぽい曲をやっているところにギャップを感じてもらって、気になってくださり、私たちにそのイメージが強い方も多いと思うんですよ。でもそこを塗り替えていきたいという気持ちがメンバーの中ではあって、そういう意味では等身大でありつつも、やっぱりどこか洗練された、今の私たちにしかできないものをやっていきたいというところで、きなみさんに相談させていただきました。『Viva La 恋心』や『コーナーカット・メモリーズ』をいただいていた時点で、“あ、これは武器になる”という確信を私たちは得ていたので、きなみさんをとても信頼していて、私たちの気持ちをうまく曲の形にしてもらって、その武器を共有していけるのかなと思って」

--そして今日着ているのは新衣装。特に芽生さんと未夢さんはシルエットがいつもにも増して色っぽい。

山邊未夢「でも年相応というか、自分たちの年齢に合っている衣装ではありますし、無理もせず、可愛いにふりすぎもせず……という感じで、私たち自身もとても気に入っています。新ビジュアルをお披露目したとき、ファンの人たちからはもちろん、アイドルのみなさんからも、“今回のビジュアルめちゃくちゃ可愛いです!”という連絡をいつも以上にもらって、“えっ、嬉しい!”と思いました。やっぱり同世代だったりだとか同業の人から“めっちゃいい!”って言ってもらえると自信にもなるので!」

--ひとみさんは特にガーリー系担当だったけど、今回は甘すぎず大人っぽい。

新井ひとみ「今まではこういう色合いはなかった気がしてて、お花でパープルが入っていたりというのはあっても、これだけ全体的にパープルで淡い感じというのはなかったので、新しいイメージを持ってもらえるんじゃないかと思います。特徴としてリボンがたくさん散りばめられていて、あみのタイツにリボンが散りばめられているという感じが今キテたりするので、女の子たちにも“ああ可愛い!”って思ってもらえたら嬉しいです」

--こういうテイストの衣装は、数あるアイドルやガールズグループでもあまりないタイプの衣装ですよね。対バンイベントなどでも目を引く感じがします。楽曲の話に戻ると、ひとみさんも、さっき芽生さんが言ったように、やっぱりアルバム『ノクターナル』で出会った楽曲たちはそれまでとは違って、グループに大きな影響を与えたと思う?

新井「はい、思います! 力強く思います(笑)。そして今回いただいた『2:30am』は、私自身も楽曲を通して優しさを感じて、楽曲から教わることってたくさんあるんですけど、私楽曲を聴くとき歌詞にも注目していて、この歌詞ってどういう意味が込められているんだろうとか、どういう情景なんだろうとかすごく思い浮かべちゃう、いろんなことを妄想してしまうという傾向があるんですけど、その気持ちを大いに盛り上げてくれる楽曲でもあると思います。幸せや優しさが冒頭の歌詞から感じられる。私は人によっては幸せの形は異なると思うんですけど、この歌詞を見たら、“あ、これって幸せだよね”って感じとることができると思っていて。で、ちょっと淡ーい感じの優しさを持った歌詞なんですけど、英語の歌詞のところに、ものすごく大事に思っているんだなということが詰め込まれていて……」

--結構ストレートで……。

新井「ちょっと主人公の照れというか、“日本語では伝えるのはちょっと恥ずかしいけど、英語なら伝えられるよ”みたいな、ということも感じられるような気がしていて、優しい気持ちになります」

--さっきも話したように、人によってイメージの幅がある、深みのある歌詞だと思いますが、レコーディング前にメンバーで意見交換したりも?

庄司「レコーディングのときはそれぞれが思い描いているイメージで、それをそのまま表現する形で、実際にライブで披露するときに、みんなでイメージのすり合わせをしました」

--たとえばシチュエーションだったり、歌詞に出てくる“君と僕”のそれぞれのイメージだったりとか?

庄司「そうですね。受け取り方はいろいろあると思うので、ただ、そんなに厳密に揃えても面白みや深みがなくなるかなと思ったので、というよりも、それぞれが愛おしく思う人物だったりだとか、そういう存在が近くにいて、その人と過ごす愛おしい時間を歌っているということは、“なんか自然と笑みが溢れてくるよね”というニュアンスの共有というか、それをしました」

山邊「私はこの曲に対してライブで披露するときは、あえて特定の誰かを思い浮かべずに、目の前にファンの人がいらっしゃり、私たちにとって『2:30am』の主人公と同じくらい大切な存在なので、目の前にいるみんなのことを“君”として思いながら歌うと、さっき芽生が言ってくれた世界観を自然に表現できるのかなと思っています」

--ライブで伝えるのと音源で歌ったときとはちょっと違ってくるのかもしれません。ファンのみなさんの新曲への反応は?

山邊「SNSとか見ると、“今回の新曲いい!”“めちゃ好き!”ってテンション上がってくれていました。今のところ東京でしか披露できていないんですけど、この間SNSにちょっとイントロの部分だけ載せた映像があるんですけど、それを観た地方のファンの方も、“あっ、めっちゃいい!”という反応をくれてて、うれしいなと。自分たちがいいと思ったものをいいと返してくれる、それはすごく伝わるので、“ああ、いい一曲ができてよかったな”と実感しました」

--メンバーの音楽面での成長や今のアイデンティティに、ファンも呼応してくれていますよね。もちろん昔の曲も好きだけど、ファンの嗜好もメンバーの思いに合わせてアップデートされているような。

庄司「自分たちがいいと思ったものを同じようにいいと言っていただけるのは本当に嬉しいなと思っていて……。“これが武器だ”と信念を持っていて、私たちはここから突き進むのみだと思っているので、信じてついてきてほしいし、ここからもいろんな形で挑戦していくこともあると思うんですけど、挑戦すらも一緒に楽しんでくれるような関係性になれたらとても嬉しいです。みなさんを楽しませていけるように、そこを第一に考えることは忘れずに。ぜひ楽しく応援していただけたらうれしいなと思います」

新井「いろんな色がある中で、14年間活動してきて、こういう曲はやらないということはなく、いろんなジャンルの曲をやってきているから、ずっと応援してきてくれたファンの方も“今回はこういう曲ね、こういう感じでいくのね”と受け入れてくれる。そうして一緒に応援してくれるというのにも、つながってるのかなと思います」

--こうしてメンバー間のアイデンティティの共有感はある一方、持ち味はバラバラの4人。みんな個性は結構バラバラに見えますが、4人そろったときには“東京女子流”として完成されるのが面白いところです。

庄司「不思議なのが、それぞれ趣味嗜好、キャラクターが全然違って際立っているんですけど、女子流として活動するときは4人が“これだよね”と一致するのが私たちの強みでも可能性でもあるのかなと思います」

--ソロでやるとしたら全然別のタイプに形になると思うけど。

中江「ねっ、本当にバラバラなので。だから14年一緒にいて続いてるのかなと思うんですけど、女子流で集合ってなったときには一つになって、またそれぞれの趣味嗜好があって。女子流はこの4人が唯一無二なのかなと思います」

--結成以来新たなメンバーが入ることなく14年間続いてきて、この先も40、50代になっても続けてもらいたいですね。もし誰かが結婚、出産しても、その期間は活動を休止したり個人活動をして、全員の状況が整ったらまたグループ活動を再開するみたいな、独自のペースで(笑)。

庄司「すごいね(笑)」

山邊「私もう踊れないかも(笑)。でもありがたいですね」

3人「ありがたい」

--めちゃめちゃ先の将来のことはさておき(笑)、近々では5月4日に14周年ライブがZepp Shinjukuで行われます。

中江「昨年の13周年ライブは初の5daysでやらせていただいて、同じ事務所の先輩や仲間たちとの2マンライブをやらせていただいたり、ワンマンライブ1日で3公演とか、今までにない、こんなに長くやったのは初めてという周年ライブとなりました」

--バラエティ豊かなラインナップでしたね。

中江「そして今回は14周年、やっぱり周年ライブとなると歴史、みなさんへの感謝、私たちの集大成というものを伝えたいというライブになってくるんですけど、14周年の歴史のどの部分も詰め込んでいきたいなと思うのと、女子流の楽曲が観に来てくださるみなさんの日常にもなってくれていたら嬉しいなと思いますし、それをより感じてもらえる日になったらいいなと思っています」

山邊「やっぱり一番は感謝の気持ちを! 14周年という本当にすごい年月で活動をさせていただいていて、それができているということは、応援してくださるみなさんのおかげなので、感謝を歌とパフォーマンスで伝えるライブにしたいなと思っております」

--来年の15周年では節目ということで、どうしても振り返り的な要素が強くなると思うので、14周年ではあえて攻めた構成にするのもおもしろいかも(笑)。15周年では絶対やらないような。

庄司「それもアリですね(笑)。個人的には攻めのセットリストでも面白いかなと思います。いい意味で期待を裏切るような(笑)」

--ところで、先日芽生さんの舞台(〜咲女花劇〜『散る君、うららと舞い上がり、』出演がありましたが、今後も個人活動も活発になりそう?

新井「女子流の活動ではなかなか見れない姿を見られて。この間舞台を観に行ったときに“えっ、めいてぃん、こんな感じでやってるんだ!”とかすごく面白くて、女子流のライブでは見れない表情だったりだとか……。それで今回も感じたように、新しい姿を見れる機会というのはワクワクするじゃないですか。だから、みなさんにいろいろな場面でワクワクしてもらいたいです」

--舞台以外に音楽面でのソロ活動の可能性も? 以前のひとみさんや中江さんのように個人やソロプロジェクトでライブ活動をしたりだとか?

庄司「そういう幅は強みになるのでどんどんやっていきたいです。それぞれが輝ける場所で挑戦していけたら、より一層グループになれるのではないかなと思っております」

--最後に改めて、代表して未夢さんから新曲の聴きどころをお願いします。

山邊「『2:30am』は、聴く人によって、それぞれ捉え方があったりすると思うんですけど、一番は大切な人を思いながら聴くということで、そこは共通していると思います。この楽曲を聴いていただく際にパッと最初に思い浮かべる大切な人を思いながら聴いていただけたら嬉しいです。これからリリックビデオやダンスビデオも上がってくるので、そちらも楽しみに待っていただけたら嬉しいなと思います!」

東京女子流(とうきょうじょしりゅう)
山邊未夢(やまべ・みゆ)●1996年6月24日生まれ、千葉県出身。
新井ひとみ(あらい・ ひとみ)●1998年4月10日生まれ、宮城県出身。
中江友梨(なかえ・ゆり)●1997年6月28日生まれ、大阪府出身。
庄司芽生(しょうじ・めい)●1997年7月2日生まれ、山形県出身。

2010年に結成され、シングル『キラリ☆』でデビュー、今年結成14周年を迎える。5月4日にはZepp Shinjukuにて東京女子流 14th Anniversary Liveを開催。
プロフィールの詳細や14周年ライブの詳細は下記公式サイトにて
https://tokyogirlsstyle.jp/

『2:30am』音源linkfire https://avex.lnk.to/230am

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