関根梓、アップアップガールズ(仮)としてのラストステージ、後輩たちと2曲熱唱「13年間ありがとうございました!」
アップアップガールズ(仮)(以下、アプガ(仮))が30日、神奈川・CLUB CITTA’でワンマンライブ『アップアップガールズ(仮)2023 LIVE La la la LAST DANCE』を開催。年内ラストの公演で、グループ結成時からのオリジナルメンバーでありリーダーを務める関根梓の卒業のステージが行われた。
アプガ(仮)は、2011年の結成以来、数回のメンバー変遷を遂げ、今年4月からは関根梓、古谷柚里花、鈴木芽生菜、小山星流、青柳佑芽、住田悠華の6人体制で活動を行ってきた。だが、7月から関根が体調不良により活動を休止。夏以降は、2020年12月に合流した5人のメンバーでライブを実施。彼女たちは、アプガ(仮)を背負い、気合のパフォーマンスを展開し着実に成長してきた。時間は経過したもののなかなか体調の戻らない関根は、がんばる後輩メンバーにアプガ(仮)を託し、このたび「一度ケジメを付けて療養に専念したい」と卒業の決断に至った。
この日のライブでは、古谷、鈴木、小山、青柳、住田のメンバー5人は、激動の2023年を締め括る気迫のパフォーマンスをしっかりと見せ、そしてライブの最後には、関根がステージに登場。新曲「THE LAST DANCE」を最初で最後の6人体制バージョンで披露した。
特別な思いの詰まった公演に、会場には大勢の観客が集結。しかし、しんみりした空気はアプガ(仮)には似合わない。オープニングSEの「overture(仮)2021」が流れると「オイ!オイ!」の大歓声が巻き起こる。新衣装を着た、古谷、鈴木、小山、青柳、住田のメンバー5人がステージに並び、新曲「正解ですっ!」からライブはスタート。楽しく元気に盛り上がったあとは、「イチバンガールズ!2021」「ワイドルセブン」とロックナンバーを投下する。ステージから伸びる左右の花道を使い観客にも急接近。力強い歌とダンスで会場のボルテージを一気に高めた。
自己紹介と挨拶を行った彼女たちは、ここからなんと11曲連続楽曲披露を宣言。旧メンバー時代のアプガ(仮)はノンストップライブを十八番としていた。ここCLUB CITTA’は、10年前の2013年12月28日に初のノンストップライブ『アップアップガールズ(仮)アプガ第二章(仮)大晦日イブイブイブ決戦 〜CLUB CITTA’〜』が行われた思い出の地である。由緒ある会場で、5人のメンバーは「私たちが今のアプガ(仮)だ!」と言わんばかりにハイスパートなライブを行い、アプガ魂を伝承をしようというのだ。
彼女たちは「Da Dan Dance!!!!!」をポップに届け、「立ち上がループ」「HERETIC」でクールに熱い姿を見せる。レーザーが瞬きエレクトロビートがこだまする「(仮)は返すぜ☆be your soul」「美女の野獣」で激しいパフォーマンスを見せ、さらに「全力!Pump Up!!」でパワーファイターぶりを発揮。単に熱いだけではなく、クオリティの高い歌とダンスを魅せていくのがアプガ(仮)の真骨頂。メンバー5人が発する強烈なパワーにファンも全力で呼応し、会場はものすごい熱気となった。
しかしアプガ(仮)のノンストップゾーンはまだまだ続行中。フルスロットル状態の彼女たちは、盛り上がり必至のスカチューン「アッパーレー」、アプガ(仮)の代表曲「アッパーカット!」を投下。メンバーとファンが気迫をぶつけ合い会場全体で優勝すると、ディスコチューン「アッパーディスコ」でフロアは煌びやでアツアツなパーティ状態に。そして「愛愛ファイヤー!!」が披露され、情熱感たっぷりなメンバーのパフォーマンスに観客は大ヒートアップ。さらに「お願い魅惑のターゲット」が歌われ、最後はメンバーと観客の大ジャンプ合戦が繰り広げられた。
MCを挟んでライブのラストに届けられたのは新曲「THE LAST DANCE」。特別なステージに向かう気持ち、最後のダンスは終わらない、これからも君とのストーリーは続いていくというメンバー5人のリアルタイムな思いとシンクロする歌詞を、彼女たちは跳ねるようなのダンスビートで歌っていく。エモさと高揚感が高まりを見せ、ライブ本編は終了した。
観客からの熱いアンコールが会場に轟き、アプガ(仮)がステージに戻ると、「アルストロメリア」が披露される。熱い思いを胸に秘め、明日へ立ち向かっていく歌詞を、メンバー5人は感情を込めてエモーショナルに歌唱。そして、がんばり続ける思いの詰まった「FOREVER YOUNG」を届ける。スカの軽快なビートとともに、自分らしさを大切に夢に向かって進んでいこうとメッセージを歌うアプガ(仮)。観客は肩を組んでジャンプし、5人のメンバーと熱い魂を共有。会場は最高のバイブスに包まれた。
ステージからメンバーが一旦捌けると、約5ヶ月ぶりに関根がステージに登場。ステージ後ろにあるアプガ(仮)のバックドロップに「13年間ありがとうございました!」と声を上げた関根は、グループ卒業の気持ちをストレートに語っていく。「本音を言うと、自分の体調のことだっていうのは重々承知してるんですけど、このままだとうまくアプガ(仮)としての関根梓の魂が成仏できそうにありません。悔しいです。(山田)社長すみません。心は決めたと言ったんですけど、決まってなかったです。でも、5人にアプガ(仮)を託すというのは決めたから、そこは変わらないです。ただ私は、やっぱりライブがしたいです。なので、正式にみなさんとゆっくり時間を共有する会は、まだどういうものになるのかはっきり提示はできないんですけど、そのときは、アプガ(仮)としての関根梓ではなくて、普通のただの関根梓 with アップアップガールズ(仮)として何かを届ける形になるかもしれないです。まだわからないですが、みなさんが関根のことを応援してくれていた魂と、アプガ(仮)としての関根梓の魂がうまく成仏できるように何か考えたいと思います。待っててください。正直チーム・アプガが作る今日のライブもすごいうらやましかったです。みんながやってるのを見ていいな、オレもやりたいなと思いました。アプガ(仮)は、7人、5人、8人、6人と、こんなにも体制が変わるとは、結成当初の私は思ってもいませんでした。(研修生課程終了後)いきなりテレビ収録に呼ばれて、最初はアップフロントガールズ(仮)という名前から始まって、約13年ここまで走ってきました。ですが、こんなに悔いの残る終わり方はしたくないので、すみません、待っててください」と、改めて自身のアプガ(仮)人生への決着をつけたいという思いをファンに伝えた。
続けて関根は「私はまだ体調が万全ではないのですが、私は最後まで歌を通してみなさんにありがとうを届けたいと思います。2曲ではありますが、アプガ(仮)の現メンバーと一緒に歌いたいです」「アプガ(仮)の100を越える曲の中から、私が今日ここで歌いたいと思った曲を届けたいと思います。みなさんがずっと笑顔でいてくれればいいなって思いも込めて選びました。平和の象徴のピースの手を見せてください」と語る。
ステージに6人体制のアプガ(仮)が揃うと「セブン☆ピース」を歌唱する。関根はメンバーとともに、平和への思いを温かく伸びやかな歌声で歌う。息の合った久々のメンバー6人のパフォーマンスに、観客は大きな拍手を送った。
ここからは5人のメンバーが、関根への思いを語っていく。
住田は「はるかは、まだ自分の中で気持ちの整理がついてないんです。あーちゃん(関根)が大好きだし、一緒にステージに立てないのがほんとにすごく嫌です。ほんとはしっかり送り出さなきゃいけないのはわかってはいるけどまだ難しいです。なので、正直な気持ちを話させていただきました。あーちゃんには、長い手紙を書いてきたのであとで渡します」と涙ながらに語った。
青柳は「リハーサルをしてても『これ、あーちゃんが言ってたな』みたいな、誰かが気づかないうちに言ってるんです。それくらい、3年間一緒にいたあーちゃんが私たちには染みついちゃってます。私たちは、あーちゃんの子供かなって思うくらいです。これからアプガ(仮)は3年前に入った同期5人で活動していきますが、私たちがアプガ(仮)でい続ける限り、卒業されていった全ての人の魂を背負って歌って踊り続けたいです。私たちには大きすぎる看板かもしれないですけど、この5人ならきっと大丈夫だと思ってます。それにあーちゃんは全部の(アプガ(仮)のライブ)映像をチェックしてくれてると思います(笑)。あーちゃんと一緒に活動して期間は私たちの一番宝物です。これから5人になっても、気持ちは一緒にがんばっていきたいです。あーちゃんご卒業おめでとうございます!」とアプガイズム継承を口にした。
小山は「さっきのあーちゃんの本音を聞いて、まだ私たちと踊れるときがあると思えてほんとにうれしいです。(所属事務所の)ヤムに残って欲しいです。歌って欲しいです。私はまだあーちゃんの歌が見たいです!」と自身の願いを伝えた。
鈴木は「私はこの3年間、あーちゃんと過ごせてすごく幸せでした。私が自信がなくなってヘナヘナになってるときに、あーちゃんは1回背中をトンってしてくれて『めいな、そんなんじゃダメだよ』って言ってくれるんです。あーちゃんと作った思い出は全部大事に胸にしまって、この先に進んでいきたいです。あとこの3年間で、あーちゃんと夏過ごせなかったことが私は悔しいんです。どんな形でもいいので一緒に夏を過ごせたらなと思います。もしかしたらソロ関根梓として夏フェスに出れたら、そしたら夏を一緒に過ごせることがあるかもしれない。まだまだ未来に希望は溢れています。私もまだまだ成長止まらずにがんばり続けます。あーちゃん大好きです!」と関根との思い出をこれからも作りたいという気持ちを語った。
古谷は「あーちゃんとは、ステージ上での思い出も普段の思い出もいっぱいあります。私のガチのガチのガチの本音は、やめて欲しくないです。でも、この3年間であーちゃんと心の距離が近くなれたことがほんとにうれしいです。正直、5人になってからのアプガ(仮)で私が最年長だと思うと少し不安があります。私はしっかりしてない人間で、いつも周りの人たちがたくさん助けてくれるからしっかりしてそうに見えるんです(笑)。でも、これから先は自分がもっと責任を持ってやっていきたいです。もちろん前を向いてるし、5人のアプガ(仮)でがんばって大きなステージに絶対行きます。私の中で絶対成し遂げるって決めた目標を叶えるまで、絶対に諦めないです。これからも、アプガファミリーには安心してアプガ(仮)を見てもらえるように、もっともっと先陣を切ってがんばります。これからのアプガ(仮)にも期待しててください!」と関根への思いとアプガ(仮)のこれからの意気込みを口にした。
そして、6人体制アプガ(仮)を締め括る新曲「THE LAST DANCE」が歌われた。アプガ(仮)として13年目、2004年にハロプロエッグ(現・ハロプロ研修生)1期生メンバーから数えるとアイドル歴19年目の関根は、メンバーと一体となり歌とダンスで楽曲の世界観を表現していく。彼女たちのドラマチックなパフォーマンスに観客は大きな拍手を送った。
笑顔と涙の6人のアプガ(仮)はステージと花道を使ってファンに挨拶し、最後はマイク無しで関根が「また5人のアプガ(仮)がやってきます。みなさん、私と一緒にアプガ(仮)支えましょう。ありがとうございました!」と声を上げ、観客に向かって手をつないで長いお辞儀。大きな拍手に包まれて、6人のメンバーはステージを去った。さらに、会場に“あずさ”コールが響き渡ると、関根がステージに飛び出し「やっぱアプガだなー! んちゃ!」と笑顔で明るく別れを告げメモリアルなライブは終了した。
関根梓はアップアップガールズ(仮)としてのキャリアを全うし、そして古谷柚里花、鈴木芽生菜、小山星流、青柳佑芽、住田悠華の5人はアップアップガールズ(仮)をしっかりと担って活動していく。療養後の関根の活動、大きな節目を経てさらに前進していくアプガ(仮)のこれからに要注目だ。
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