映画「海のふた」でキーパーソンを好演!女優・三根梓インタビュー

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三根梓
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  • 映画『海のふた』場面写真 (C)2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会
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  • 映画『海のふた』場面写真 (C)2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会
  • 映画『海のふた』 (C)2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会

7月18日から、よしもとばなな原作の同名作品の映像化となる映画「海のふた」が公開される。そんな本作で菊池亜希子さんとともに物語の中心を好演するのが、女優の三根梓さんだ。今回、GirlsNewsではそんな彼女に映画の見どころや裏話を伺った。

●映画「海のふた」への出演が決まって、いかがでしたか?
最初にお話をいただいたときは、私は昔からよしもとばななさんの大ファンだったので、素直にすごく嬉しかったです。自分が演じると考えたときに、ばななさんの作品の世界観だったり、登場人物の多彩な心情の揺れみたいな部分を表現するという部分へのプレッシャーに身が引き締まる思いもありました。原作を読んで凄く穏やかで優しい空気が流れる作品だなって思って、波の音だったり砂の音だったり、心地いい風が感じられてこういう心がほっとするような心地よさを感じる作品だと感じた作品でした。

●劇中で「はじめ」役を演じたことについてはいかがでしたか?
私は原作と台本を何度も読み込んで「はじめちゃんノート」を作るところから始めてみたんですけど、そのノートに原作や脚本を読んで感じたはじめちゃんの性格だったり、感じ方だったり、考え方だったりを書きこんでいきながら、例えばすっとまっすぐで陰りがあるとか、そういう些細なことでも書き込みながら少しずつ落としていくようにはしていたのですが、やっぱり考えても考えてもはじめちゃんの世界の見え方みたいな部分がなかなかストンと落ちなくて、だからもう現場に行ってつかむしかない!と思って。やけどの跡を作ってもらって、まりちゃんとやりとりをする中でやっと少しずつはじめちゃんを自分の中に落とせて行けたかなって。はじめちゃんはやけどの傷があるから自分が特別って思っているような女の子ではないけど、やっぱり人よりも傷の為に考えることや、感じ取るものも多い、すごく繊細で感じやすい女の子だなと思います。

●菊池亜希子さん演じる「まり」との関係性について教えてください
(最初ははじめちゃんが)大切なおばあちゃんを亡くしてしまったという悲しみで心がふさぎ込んでしまっている状態でいることを意識して、あまり距離感の変化とかは考えすぎないよう、その場でまりちゃんを受け止めて素直に感じたものを伝えるようにしました。菊池さんもまりちゃんとしてそこにいてくれて、言葉のやり取りが無くても視線だったり、表情だったりですごく傷ついているときに支えになってくれたり、そういう言葉じゃない部分をちゃんと感じ取ることを大切にしながら演じるようにしていて、素直なやり取りの中で距離感が変わっていたたのかなと思います。

●菊池亜希子さんとの共演はいかがでしたか?
菊池さんと共演させてもらったのは初めてだったんですけど、私の中で菊池さんって凄いオシャレだし、雑誌の編集長もされてたり、とてもカッコいいお姉さんっていうイメージで、お芝居の現場でもカメラが回った瞬間にその場に溶け込んでしまうような立ち姿だったり、掛け合いのシーンでははじめちゃんの心理を引き出してくれたり、そういう頼もしいお姉さんというイメージだったんですけど、でも撮影が終わるとホテルに戻って売店の方に行って、可愛らしいぬいぐるみを買ってそれを相棒にされていたり、一緒に温泉に入ってお話してて、私が話しかけるとずっと目を閉じられてる時間が長くって、あれ寝ちゃってるのかなって思う瞬間もあって、おちゃめでかわいらしいなって思う部分もたくさんあって、ますます好きになってしまいました。

●劇中ではかき氷を売る「なぎ堂」というお店が舞台になりますがかき氷は食べられましたか?
食べました。おいしかったです。まりちゃんが本当に削ってくれた削りたてのかき氷をいただいたんですけど本当にフワフワで、糖蜜のシロップのかき氷って初めて食べたんですけど、透明なのにすごく甘くって、シンプルなのにとてもおいしかったです。みかん水もいただいたんですけど、ちゃんとしぼりたてのみかんにこだわっている味がして、まりちゃんらしいなって思ってすごく好きでした。(お店は)凄くおしゃれだなと。、いろんな形の食器とか置物も置いてあったり、すごくまりちゃんに愛されているもので作られているお店なんだなって入った瞬間に感じられて、すごく素敵で落ち着ける場所だったと思います。

●劇中では菊池亜希子さんが自らお店をつくる場面もありますね
でき上がった作品を見て、まりちゃんはこんな男らしい姿でお店を作ってたんだ。身体で長さを図りながらなんて本格的だし、すごく普段の菊池さんと全然違う印象があって、そのシーンはとても好きです。私はあんまり器用じゃなくって、苦手なんですけど、ああやってまりちゃんがやってるのを見ると、ペンキ塗ったりとか、やってみたいなって素直に思いました。下手くそなんですけど(笑)。

●かき氷はお好きですか?
私は海のふたの撮影をする前までは、どちらかと言えばかき氷よりアイスクリーム派だったんですよ(笑)。でも撮影で削りたてのかき氷をいただいてからは、お店でかき氷の文字を見るとすぐにかき氷を頼んじゃうようになっちゃって、かき氷が好きになりましたね(笑)。それが自分でも面白いというか、こんなにかき氷に影響というかパワーがあるなんて(笑)。

●劇中では糖蜜のシロップが登場しますが、どんなシロップがあればよいなと思いますか
まりちゃんだったら本当にメロンを使ったシロップとか、他の店には無いこだわりのシロップをまた作ってほしいです。お祭りに行くとかき氷結構買っちゃうんですけど、個人的にはいちごが好きです。

●撮影の裏話を教えてください
結構撮影の終盤の方なんですけど、すごい山の中の神社みたいなところで撮影をすることがあって、夜だったんですけどいつの間にか足を虫に噛まれてたみたいで。その時は大丈夫かなって思ってたんですけど、次の日に反対の足の2倍くらい腫れてしまって。撮影自体はもう後半の方で、足が映るシーンはそんなになかったので大丈夫だったんですけど、それがすごく痛くて痒くてすごく嫌だったんですけど、これは(舞台となった伊豆の)土肥のことを忘れないでねっていうメッセージなのかなって思って自分をクールダウンさせてたんですけど、なんかその時は結構辛かったけど、今思うと愛おしい思い出だなって思います。

●海で泳ぐシーンもありましたが
結構深いところで撮影をすることが多かったんですけど、実は私もあんまり泳ぐのが得意ではなくて、立ち泳ぎができないから結構溺れそうになってたんです。菊池さんはすぐにプカプカ浮ける方だったので、力の抜き方とか菊池さんに手取り足取り浮き方を教えてもらって。実際に浮き方を教えてもらうシーンもあるんですけど、
そこが特にリアルなシーンになってるなって(笑)。撮影していたのが5月末くらいでちょっとまだ肌寒かったので、終わったらすぐ大きなお湯が張ってあるコンテナにダッシュして飛び込んでました。

●今回の作品での収穫や変化を教えてください
それぞれの現場で気づけたことだったり、発見できたりしたことがあるんですけど、頭でイメージを固めすぎないことっていうのと、心を柔らかくして感じたことを演じることが大事なんだって気づけたのが一番の収穫だったと思います。私はいろいろ考えすぎて頭でイメージを固めすぎて周りが見えなくなってしまったり、違うものを求められた時に芝居をすぐに変えられないってことをすごく痛感させられた現場で。最初の方は私も緊張していたし、考えすぎて空回りすることが多くって、悩んでいたら監督から「もういっぱい考えたのはわかるから、一回考えるのはやめて頭空っぽにしなさい」って言っていただいて。空っぽにするって結構怖い部分もあったんですけど、このままやり続けると空回りして終わるって思ったので、素直に監督に身を委ねていくうちに感じることが大切だっていうことに気づけたと思います。

●今後の目標や挑戦したい作品について教えてください
私の今の目標は、見た方の心の深い部分から感情があふれだしてくるようなそういうお芝居をやりたいなって思っていて、それは希望かもしれないし、勇気、絶望かもしれないんですけど、私の演じた役を通して見た方の生き方だったり価値観の良いスパイスになれたら嬉しいなと思っています。カラーにとらわれずいろんな作品にチャレンジしたいと思っているんですけど、見た方が笑顔になってくれたり、元気になってくれるようなそういうパワフルな作品にもチャレンジしたいなと思います。

●最後にファンの方へのメッセージをお願いします。
海のふた、とても穏やかで優しい空気が流れている作品で、心だったり身体だったりがじんわり緩んでいくような心地よさを感じてもらえる作品だと思うので、たくさんの方にみていただけたら嬉しいです。

映画「海のふた」は7月18日(土)よりロードショー!

(C)2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会

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映画『海のふた』公式サイト