【井頭愛海インタビュー】映画『キリコのタクト〜YELL〜』が公開 劇中合唱で歌った『YELL』はデビュー当時の思い出の一曲だった!?

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井頭愛海
井頭愛海

ドラマ『惡の華』での体当たりの熱演が注目された女優・井頭愛海さんが、10月2日公開の映画『キリコのタクト〜YELL〜』に出演。新たな挑戦があったという今作の役柄への取り組みを語ってもらった。今回の作品のモチーフとなった、いきものがかりの『YELL』は、井頭さんにとって10数年前のデビュー当時の思い出の一曲だったようだ。

第76回NHK全国学校⾳楽コンクール・中学校の部課題曲として制作され、多くの⼈々の⼼を動かしてきた、いきもがかりの名曲『YELL』に着想を得た本作。厚⽊市を舞台に伝説の⾳楽教師・原⽥貴理⼦(キリコ先生/鈴⽊京⾹)と、彼⼥に⼈⽣を変えられた教え⼦たちの愛と絆を描く感動のヒューマンドラマだ。井頭さんはかつて合唱部のパートリーダーを務め、20代半ばになり、自宅で母親の面倒を看ている西川花蓮を演じている、

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--まず井頭さんが演じた花蓮について詳しく教えてもらえますか。

「はい。花蓮は自宅で病気の母を支えながら、漫画家として成功する夢を持っている、ヤングケアラーの女性です。性格的にはすごく真面目で芯のある子。高校時代に母が倒れたことによって、自分の夢を追い続けたいけれど、母を支えなければいけない、その狭間で揺れ動いています」

--演じるのにあたって心掛けたことはありますか?

「責任感が強く、芯の強さがありながら、繊細さも持ち併せている。その表現は監督と相談しながら丁寧に作らせていただきました。また普段の花蓮はお母さんにどういう対応をしているんだろうか、など、セリフにはない、背景にある普段の生活を意識しながら演じさせていただきました。お母さんのことが大好きで、その環境から逃げようと思えば逃げられるかもしれないけれど見捨てない、という、強い愛を感じましたね」

--家庭の経済状態もありますが、施設に入ってもらったら自分の夢にも集中して取り組めるのかも。

「そうですね。だけど大好きで、お互いが味方であるというのがあるからこそ、自分がやり遂げる、お母さんの面倒を見る……決めたことは貫き通す、そういう強い部分はあるのかなと思います。ヤングケアラーの方には、自分が親を守らなければならないという責任感の強い人が多いとうかがったのですが、お母さんに対する愛情だったり、責任感みたいなものを意識しながら演じました」

--そんな花蓮にとって、支えになっていたのが、高校時代に出会った合唱、そしてキリコ先生の存在。

「はい。物語は、合唱に頑張っていた花蓮たちの高校生時代と、25歳くらいになっている現在を行き来しながら描かれていますが、花蓮が自分を鼓舞するときに、高校時代の合唱のときの思い出が突き動かしているんだなと演じていて感じました。支えてくれる人がいるかいないかで、花蓮自身のその後の人生が大きく左右されたのかなと思うと、キリコ先生の存在は大きかったのかなと思います」

--キリコ先生は関西弁を話す、勢いいっぱいのキャラクター。(大阪出身の)井頭さんが標準語で、相手が関西弁、というのも、井頭さんにとってちょっとレアだったのかも(笑)。

「そうですね。演じていて引っ張られそうになることもありました(笑)」

--鈴木京香さんとは初共演、一緒にお芝居をしてどんな印象でしたか?

「いらっしゃるだけでオーラがある方ですし、キリコ先生のどんとした性格と、すごく優しいまなざしといいますか、笑顔を見せられるところも印象的で、合唱コンクールのシーンで指揮をしてくださるその表情が、こっちまでワクワクとなる気持ちにさせてくださるお芝居だったので。京香さんを見ていると自然と笑顔で歌える、そういうパワーを持たれている方だなと思いました」

--ご本人にもキリコ先生にもカリスマ性が……。

「すごくありますよね。キリコ先生ワールドに巻き込まれていきながら、そういうパワフルな方が近くにいてくださったからこそ、花蓮は救われる部分があったと思いますし、そういう、人を動かすパワーを持っている、自分が一番弱ったときに、寄り添ってくれる人がいるって、花蓮にとって助けられたんじゃないかなと思いました」

--花蓮にとって、合唱の経験やキリコ先生は本当に大きな存在なんですね。

「そういう、みんなで成し遂げたとか、自分ならできるという体験は自信になったと思いますし、合唱に取り組んでいる時間はお母さんのことを考えず没頭できたと思うので……。私自身も学生時代、何も考えずに友達と楽しんだことが、今仕事に追われているときに、“あのときは楽しかったね”って思い出すと、また頑張ろうという糧になったりするので」

--事前に合唱の練習期間もあったんですか?

「はい。クランクインする3、4ヶ月前から、最初は個人練習から始めさせていただきました。今回合唱コンクールで厚木市民合唱団のみなさんと一緒に歌わせていただいたんですけど、そのシーンに入るまでに一人で歌えるようにと。私はアルトのパートを担当させてもらったんですけど、一人だとできたことでもほかの方と一緒に歌って、違うメロディが入ってくると、意外に音程をとるのがこんなにも難しいものかとすごく苦戦しました。生徒役4人でも毎週集まって、練習させていただきました。みんなで苦戦しながら……」

--ソプラノは耳馴染みのある主旋律が中心ですが、アルトはハモリパート中心で、音を正確にとるのが難しい印象です。

「そうですね。知っているメロディで、私も何度も聴いたことがあったので、そのメロディで違う音をとるのは難しかったです」

--デビューから6年間、X21のメンバーとして音楽活動も行っていた井頭さん。そのときに歌のトレーニングの経験も?

「はい。それこそX21のときの歌のレッスンで『YELL』が課題曲に使われていました(笑)」

--なんと! 思い出の一曲にここで再会(笑)。

「はい(笑)。『YELL』を聞くと、そのときのことが心に蘇ります。その当時何回も何回も聴いていたので、『あ、歌のレッスンしなきゃ』って気持ちになります(笑)」

--気持ちが自動的に(笑)。今回また何度も歌い込んで、さらに思いが強まったのかもしれませんね。

「はい。撮影から1年くらい経ったんですけど、今でも『YELL』を歌いたくなる瞬間がすごくあります。もちろんアルトのパートで(笑)」

--普通に街などで流れていても……。

「ハモリたくなります(笑)。それくらい身体に染み付いていて。この作品に向き合えたのかなと思います」

--生徒役の3人はそれぞれ初共演?

「そうですね。(葵役の)田辺桃子さんだけ昔ドラマでワンシーンだけ共演させていただいたことはあって、そのときはお互い大勢いる中の一人という感じでした。田辺さんは大好きな女優さんだったので、個人的に嬉しかったです。藤原大祐さん、西垣匠さんも素晴らしいお芝居をされていて……。みんなそれぞれ違う役割で引っ張っていただけました。藤原さんは音楽をやってらっしゃるので音楽面でアドバイスをいただいたり、田辺さんは撮影の合間、“みんなで練習しよう!”という感じで引っ張ってくれて……」

--みんなのリーダー的な存在で。

「はい。みんなで時間があるときには練習して、最初は全然歌えなかったんですけど、どんどん練習を重ねるうちに、成功する確率が増えて、バチっとハマったときは気持ちよかったです!」

--合唱コンクールのシーンは大きな見どころです。

「その撮影の日は、本当の合唱コンクールの日みたいな感じで、本番が始まる前にみんなで声出し練習を一緒にして、『あと2回だけ歌ったらもう本番だから』みたいな、学生時代に戻ったような感覚で(笑)、本当にコンクールに出るんだな、みたいな緊張感を持ちつつ臨めました」

--お芝居だけど、実際の大会に臨む学生の心境。

「そうですね。気合いが入りました。歌の先生が『この日を目指して頑張ろう』とおっしゃって励ましてくださったので、本番に向けて、みんなで出し切ったという、そのコンクールの撮影の日は、撮り終えたあと、燃え尽き症候群みたいな感じで(笑)、やりきったという思いでした」

--前回の『惡の華』のインタビューのときも、やはり一番大変な、井頭さんにとってのクライマックスのシーンを撮り終えたときはやりきった感覚になった、と話してくれていたのを思い出します。

「そうですね(笑)、クライマックスを越えると安心できて。『惡の華』でもなかなか感情的でハードな役でしたけど、逆に花蓮のような繊細さを持っていて、物静かな中にも確固たる、揺るがない気持ちを持っている。そういう役柄もすごくやりたかったので、オーディションのときに、田辺さんが演じられた葵と、花蓮、どっち演じたいですか?と聞かれて、『花蓮をやりたいです!』と言わせていただいて。挑戦できてよかったです」

--『惡の華』で演じた佐伯さんはもともと天使のようにおしとやかでありながら、豹変して感情があらわになってしまう落差が見どころでしたが、花蓮は、波は少ないけど、繊細な感情表現が難しそうです。

「はい。何気ないお母さんとのやりとりだったり、その中に感じる二人の関係性みたいなものを作っていくというのが難しかったですけど、すごくやっていて楽しかったです」

--一時期、お仕事ドラマへの出演が続いていましたが、ここのところ制服役がまた目立ちますね。『惡の華』では中学生役も!

「やらせていただける限りは(笑)。学生役をやれる限りはやりたいですし、心の内面をたくさん表現できる役柄、それこそ『惡の華』もそうですし、感情をさらけ出して見せるお芝居ももっと挑戦していきたいなと思います」

--本作の花蓮と『惡の華』の佐伯さん、対照的な役柄ですが、ともに感情の表現が面白い役柄です。

「そうですね。何事にも挑戦する気持ちを持って、どんな役でも変幻自在に演じられるように頑張りたいなと思います」

〈プロフィール〉

井頭愛海(いがしらまなみ)

2001年3月15日生まれ、大阪府出身。2012年『第13回全日本国民的美少女コンテスト』で審査員特別賞を受賞したことをきっかけにデビュー。2017年NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインの娘役を演じて注目される。以降、映画『鬼ガール!!』(主演)、『メイヘムガールズ』、ドラマ『さくらの親子丼2』(東海テレビ/フジテレビ系)、『過保護な若旦那様の甘やかし婚』(MBSほか)、『惡の華』(テレビ東京ほか)、ミュージカル『るろうに剣心 京都編』などに出演。

映画『キリコのタクト〜YELL〜』は10 ⽉2 ⽇(⾦)より新宿ピカデリー他全国ロードショー。内容やキャストの詳細、公開劇場などについては下記公式サイトにて。

https://surf-entertainment.com/kiriko.html
(c)映画「キリコのタクト〜YELL〜」製作委員会

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