大原優乃、舞台『熱海殺人事件』で「理性を飛ばす覚悟」 念願の紀伊國屋ホールに立つ喜びと重圧

『熱海殺人事件』ラストメッセージ

女優の大原優乃が17日、東京・紀伊國屋ホールで行われた、つかこうへい十七回忌特別公演『熱海殺人事件』ラストメッセージの公開ゲネプロに登場した。

本作は、2010年に他界した劇作家・つかこうへいさんの十七回忌という節目に上演される特別公演。1973年の発表以来、紀伊國屋ホールを拠点に愛され続けてきた名作を、中江功氏が演出する。

大原さんは捨て身の潜入捜査を行うヒロイン・水野朋子婦人警官役を担う。中江監督が手掛けたドラマ『教場』シリーズ最新作での演技が評価され、抜擢された。この日のゲネプロ(チーム ユニコーン)では、木村伝兵衛部長刑事役の荒井敦史さん、犯人・大山金太郎役の横田大雅さん、熊田留吉刑事役の高橋龍輝さんと共演。特に横田さんは16歳1ヶ月という若さで大山役の最年少記録を更新しており、フレッシュな顔ぶれが歴史ある舞台に新たな息吹を吹き込んだ。

役作りについて大原さんは「これまで見てきた水野像に寄せていたのですが、中江さんから『大原優乃だからできる水野をやってくれ』とおっしゃっていただいたので、私だからできる水野を模索し続けています」と語った。特に意識しているのは「部長を立てる時のチャーミングさと、熊田に対する威圧感のギャップ」だといい、「前半の婦人警官らしい立ち振る舞いから、後半の浜のシーンにかけての”醜い愛”が持つ人間臭さを感じていただきたい」とアピールした。

膨大なセリフ量については「もともとファンで何度も拝見していた戯曲なので、稽古前から全て頭に入れて臨みました」と万全の準備を明かした。実際に演じてみて感じた発見として「拝見していた頃から世界観やスピード感、人間の醜さと、それがゆえの美しさに魅力を感じていましたが、実際にやってみると繊細な駆け引きがあることに気づきました。弱さゆえの突き放す言葉など、荒井さんと役として常々やり合っています」と語った。

舞台の生きた特性にも言及し「1ヶ月以上稽古しても、毎日同じにはならない戯曲。体調や精神状態、お客様の空気でも変わる。そんな変化を恐れずに飛び込みたい」と述べた。役への向き合い方については「冷静さを保ちつつも、理性を飛ばす覚悟で生き抜くこと。じゃないと役に食われると思っています」と力を込めた。記者から「いい感じで理性は飛んでいますか?」と問われると「飛んでいます!」と笑顔で答えた。

念願の出演となった紀伊國屋ホールについては「何度も観劇に来ていた劇場なので、裏がこうなっているのかという発見もありました。浜のシーンでは照明が一本当たると何も見えない世界になり、本当に海にいるような気持ちになる。つかさんの脚本に深くのめり込める環境です」と感慨を語った。

最後に観客へ向けて、「見るのに体力が必要な作品ですが、ちょっとしたコミカルなシーンを日替わりで変えながら、一息ついて最後まで一緒についてきていただきたい」と呼びかけ、「この座組でこの作品をやれることは、もう二度とないかもしれません。感謝と覚悟をもって生き抜きたい」と力強い”ラストメッセージ”で結んだ。

※なお本公演に関して、18日、大原さんが体調不良により降板することが発表された。大原さんは17日の公演終了後に胸の痛みを訴え、都内の医療機関を受診した結果、気胸との診断を受けそのまま入院。主治医よりしばらくの間は安静が必要との診断を受け、やむなく本舞台を降板することとなった。
なお2月21日(土)14:00の各公演は村山彩希さんの出演にて上演。2月22日(日)以降の出演者は現在調整中とのことだ。

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