平川結月、初ミュージカル出演『アトム』開幕

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ミュージカル「アトム」(ゲネプロより)
ミュージカル「アトム」(ゲネプロより)

手塚治虫氏の漫画『鉄腕アトム』を原作としたミュージカル『アトム』が21日、東京・IMM THEATERで開幕した。前日に行われた公開ゲネプロでは、マリア役を務める平川結月が熱演を披露。トキオ役の宮武颯、アズリ役の志村玲於、ウメ役の畑美紗起らと共に、開幕を前に作品の世界観を力強く表現した。

ミュージカル『アトム』は、20××年の未来を舞台に、人間への絶対服従を強いられたヒト型ロボットたちの物語を描く。ロボットと人間の葛藤と共存をテーマに、感動的な歌とダンスで描かれる。物語は、路地裏の倉庫で秘密のパーティーを開き、歌を通して自由への喜びを見出すロボットたちと、家出してきた人間の若者たちの交流が、やがて悲劇へと展開していく。

本作で主人公・トキオの親友・アズリと惹かれあう人間の少女・マリア役を演じるのは、ミュージカル初挑戦の平川結月さんだ。ゲネプロでは、平川さんが両親との不仲で家出してきた少女が、ロボットたちとの出会いを通して心境に変化をきたす様子を繊細に表現した。ロボットと人間の狭間で揺れ動く感情を豊かに演じ、物語の鍵を握る役どころとして強い存在感を放った。

ゲネプロでは、マリアの相手役となる心優しい看護師ロボット・アズリを志村玲於さんが演じ、平川さんとの化学反応を見せた。本公演ではマリア役を平川さんと明音亜弥さんが、アズリ役は志村さんと島太星さんのWキャストで演じる。

主人公のロボット・トキオ役の宮武颯さんは、自由を求めるロボットたちの歌の中心を担い、物語終盤の重大な決断を前に葛藤する姿を演じた(Wキャストは高橋颯さん)。また、トキオと共に神楽坂町子の屋敷で働くウメ役の畑美紗起さんは、Wキャストの田口愛佳さんと共に本役を演じる。

さらに、労働環境の悪い工場から金を盗んで逃げてきた人間の若者・エミ役は音くり寿さん。同じく人間の若者であるタケ役の木村来士さん(Wキャストは寺島レオンさん)と共に、厳しい状況下で生きる人間の叫びを力強く舞台で表現した。

この他、物語にはダッタン役の飛龍つかさ、時計じいさん役の柳瀬大輔、ヘレン役の今井かなこ、チータン役の知念紗耶、ジュリー役の鈴木美那実、チルチル役の河村薫平らが名を連ねた。元科学者のスーラ役を天寿光希さんと良知真次さんがWキャストで務め、殺人兵器としてアトムを甦らせようと扇動する重要な役どころを演じている。

本作は、手塚治虫氏の『鉄腕アトム』を原作としながら、漫画のストーリーをなぞるのではなく、世界観を継承した新しい物語となっている。原作を知る人にも新しく出会う人にも、新鮮な感動を与えてくれるだろう。手塚氏は著書で『鉄腕アトム』のテーマを「科学と人間とのディスコミュニケーション」と語っていたが、AIと人間が結婚するまでに迫った令和の時代にこそ、考え、気付かされることが多い作品かもしれない。

ミュージカル『アトム』は、11月30日(日)までIMM THEATERで上演。また、11月22日(土)18:30公演はライブ配信も行われる( 前半パートは視聴無料)

公式HP https://worldcode.co.jp/m_atom2025/

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