石田亜佑美、舞台『くちづけ』で知的障がいを持つヒロイン役 「誰かの人生を変えるかもしれない」責任を背負う覚悟で

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元モーニング娘。の石田亜佑美が、タクフェス第13弾 『くちづけ』で、知的障がいを持つヒロイン・阿波野マコ役を演じる。6日に都内で行われた稽古場公開会見で、役柄への意気込みを語った。公演は11月24日の富山公演を皮切りに、東京、名古屋、大阪、福岡、札幌の全国6都市で上演される。

舞台『くちづけ』は、宅間孝行氏が作・演出を手掛ける人気作で、今回5年ぶりに再演される。知的障がいを持つ人々の自立支援のためのグループホーム「ひまわり荘」を舞台に、純真な心を持つ人々の交流を描く物語だ。

石田さんが演じる阿波野マコは、身体は大人だが心は純真な30歳の女性で、かつてヒット作品を世に送り出した漫画家の愛情いっぽんの娘。マコは「ひまわり荘」で暮らし、そこで出会ううーやんと心を通わせ、結婚を約束することになる。

本作には、初演から愛情いっぽん役を続投する金田明夫、作・演出も兼ねる宅間孝行をはじめ、松本幸大、上田堪大、加藤里保菜、浜谷健司、鈴木紗理奈、小川菜摘ら豪華な顔ぶれが集結した。

取材会で阿波野マコ役を演じる石田さんは、「本当に好きな作品だと自信を持って言えます。私も家族や友達をたくさん呼んでいて、それくらい自信がある作品です。精一杯取り組み頑張りますので、よろしくお願いいたします」と、役への意気込みを語った。

初めて出演する宅間作品について「全てが新鮮で、宅間さんの世界観に圧倒されています」と石田さん。稽古を通じて「自分が1個出したことに対して、宅間さんが10個くらい返してくださる。自分の考えが至らないことを毎日思い知らされます。芸能界で13年間活動してきても、こんなに学びがあるんだなとすごくありがたいです」と、日々刺激を受けていることを明かした。

稽古場の雰囲気についても言及し、「決まった休憩は取らないのですが、宅間さんが『お腹空いたら稽古できないから、食べたいときに食べな』と言って、ご飯をたくさん用意してくださるんです。みんなで力出して頑張っていこうぜ!って、みんなで作り上げている感じがすごく素敵だなって思います」と、チームの一体感を語った。

また、作品が持つメッセージ性について、「演劇の世界のお話としてやるのではなく、本当にある世界、本当にある物語、ということを大事に作っています」と強調。作品に描かれていないマコの日常も想像することで、役の世界を広げているという。

さらに、宅間さんから過去にこの作品を観て福祉の仕事に就いた人がいるという話を聞き、「舞台を通して人の人生を変えることがあるんだなと。これぞエンターテインメントだなって思いました。私も誰かの人生を変えるかもしれないという責任を背負おうと思いました」と、作品に臨む覚悟を述べた。

作品のタイトルにちなんで、「“くちづけ”はどんな味がしますか?」との質問に対し、石田さんは照れ気味に「レモンの味?」と答え、松本さんは「甘い味」と回答。さらに記者が「ちなみに鈴木さんは?」と問いかけると、間髪入れずに「そんなのツバの味に決まってんじゃん!」と答え、会場は大ウケとなった。

最後に宅間さんは、「この世界は知らないことが一番良くないことなんだなと。一人でも多くの方にこの世界を知っていただきたいという思いでやっております」と作品への想いを語った。また、自身とともに初演から出演する金田明夫さんが今回で同役を演じるのは最後となることにも触れ、「生で見れる機会は最後になりますので、ぜひこの機会を逃さないでください」と呼びかけた。タクフェスは「堅苦しくないお祭り騒ぎ」というコンセプトで、開演前からイベントを行うなど、お客様が楽しめる工夫を凝らしていることもアピールした。

【HP】https://takufes.jp/kuchiduke2025/
【公式X】@TAKU_FES_JAPAN

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