ラブライブ!シリーズ初の完全新作ミュージカル『スクールアイドルミュージカル』が、12月15日に東京公演千秋楽を迎えた。引き続き、来年1月25日より29日まで大阪・梅田芸術劇場で上演される。初日以来、絶賛が絶えない本作に出演の関根優那さんと西葉瑞希さんをGirlsNewsが訪ね、インタビューを行った。
本作は、これまでのラブライブ!シリーズ作品のミュージカル化ではなく、完全オリジナルの新作ミュージカル。新たに書き下ろされた楽曲と共に、10人の少女たちと叶える青春学園ドラマが新たに幕を開いた。
キャストは、全国レベルの学力と伝統を誇る兵庫の名門進学校・椿咲花(つばきさくはな)女子高校の理事長の娘・椿 ルリカ役の堀内まり菜、芸能コースアイドル部を擁する大阪の人気有名高校・滝桜(たきざくら)女学院の理事長の娘・滝沢アンズ役の関根優那の二人を軸に、浅井七海、杏 ジュリア、小山璃奈、佐藤美波、西葉瑞希、星守紗凪、三田美吹、青山瑠里が出演。さらに、ミュージカル界のベテラン、蒼乃夕妃と岡村さやかも出演して脇を固めている。
<関根優那・西葉瑞希 インタビュー>
--まずはそれぞれの役柄を紹介してください。
西葉 「私の演じる若槻ミスズは滝桜女学院アイドル部の部長を務めているしっかりもので、自分にも周りにも厳しいタイプの子です。アイドル部には部長のほかにセンターというポジションがあって、ミスズは自分もセンターになるチャンスがほしいと密かに思いながらアイドル部をやっています。
家庭が裕福ではないので理事長に学費を免除してもらっているのですが、卒業後の芸能への道を約束してもらった代わりに、理事長の娘であるアンズのサポート役を言い渡されています」
関根 「私が演じる滝沢アンズちゃんは滝桜女学院の理事長の娘で、アイドル部のセンターをやっています。このアイドル部はもうメジャーデビューを目前に控えていて、毎日テレビや雑誌で見ない日はないぐらいの活躍をしています。
センターとしての重圧や、歌ったり、踊ったりすることに対して、自分はこのままでいいのだろうかと疑問を感じて、本当にやりたいことを目指すために、進学校である椿咲花に転校を決意します」
--お互いの印象について聞かせてください。
西葉 「この舞台で初めて共演したのですが、その前から存在は知っていて、いつか共演するんだろうなと思っていたので、やっとお会いできました。私より先輩として活躍されているので、会う前はちょっと話しかけづらい感じなのかなって思ってたんですけど、ぜんぜん真逆で、すごいフランクな方だったので、すぐに仲良くなれました」
関根 「私も存在は知っていました。話しやすいというか、テンションが近くて似ているところがあるのかな。可愛らしい見た目の割にサバサバしてるギャップがある女の子という印象で、そこもまた面白くて、毎日楽しく過ごせてます」
--役作りで苦労したことを教えて下さい。
関根 「アンズは歌やダンスが突出して上手というわけではないけれど、ステージではイチバン輝いてなきゃいけない存在です。みんなキラキラしてる女の子たちの中で、どうやってセンターらしくいられるかを考えて、自信とか、ステージに立っている解放感とかを意識的に出すようにしています。
それから、アンズは気遣いができる調和性のある女の子で、自分が出ていったり、引いたりのバランスが自然にできる子だと思うので、セリフの距離感に気をつけて演じました。
--ご自身がアイドルグループで活動していた経験は活かせましたか?
関根 「すごく活かせたと思います。舞台よりずっと長く、7年半ぐらいアイドルとしてステージに立っていたので、ちょっと懐かしいなって思いながらやっています。現役の時は、逆にこんなにアイドルアイドルらしくしてなかったんですけど、今回は振り切ってやれるのがすごく楽しいです。アイドルが身近な存在なので、入り込みやすいし、ステージでの表現や輝き方も、すんなりパフォーマンスすることができたんじゃないかなと思います」
--西葉さんも役作りで苦労したことを教えてください。
西葉 「ミスズは部長として周りに厳しくまとめていく一面と、内心で自分がセンターを目指してもいいはずと思ってる一面があって、その両方に説得力を出さなきゃと思いました。何においても周りより出来ていないといけないので、ひとときも気が休まる暇がないくらい意識して、歌や踊りのときも頑張っています。
滝桜自体がストイックな校風なので忘れがちなんですが、そもそも高校生なんで、やりすぎて女子高生に見えなくならないように気をつけてます。厳しいといっても、アンズとも仲が悪いわけじゃなく、むしろ仲がいいくらいなので、そういう日常の友達同士の仲のよさを感じてもらえるようにはしてますね。
--厳しさを出しつつ、嫌な女の子にならないサジ加減が難しそうですね。
西葉 「そのバランスが最初のほうは難しくて、よく、殺伐としすぎていると言われました(笑)」
--西葉さんもアイドルの経験は活かせましたか?
西葉 「優那ちゃんと一緒で、とても活かされてます。アイドル時代はリーダーをやってたので、部長が中心で喋ってているシーンは、自分が現役だったときを思い出して、懐かしくてすごくエモくなりました。ライブシーンや、カーテンコールでは、普段は着ることがなくなったアイドルの衣装を着て、久しぶりに足を出しちゃったりして、すごくテンションが上がります。客席でペンライトを持ってるお客さんと盛り上がっていくのも、現役を経験していたからこそすぐに馴染めて、とても楽しくアイドルしてます。普段の舞台でもカーテンコールでお客さんの顔は見れるんですけど、あまり目を合わせたりとかできないので、お客さんと目を合わせる感覚が久しぶりで嬉しいです」
--カーテンコールではペンライトのイメージカラーが決まってるんですよね?
関根 「アンズちゃんは赤紅です。赤で紅って、どんだけ真っ赤なんだという(笑)」
西葉 「ミスズは藍より青しの藍色です。ほかのメンバーの色も草花などにちなんだ古風な名前になっていますよね」
--今作は“スクールアイドルミュージカル”という直球のタイトルですけれど、内容も直球のミュージカルだと感じました。その分、歌やダンスの稽古が大変だったと思うんですが、苦労はありましたか?
関根 「やっぱり、ミュージカルなので、普通に歌うのとは違ってセリフとして歌わなきゃいけないところにいちばん苦戦しました。私の役は心の奥の心情がぜんぶ歌に詰まっているので、抱えている気持ちをうまく伝えなきゃいけないのが難しかったですね。ミュージカルの経験もまだまだなので、歌い方とか、表現の引き出しが足りなくて、そこに1番苦戦しました。
私のお母さん役の岡村さやかさんが、とてつもなく歌がお上手なので、さやかさんの歌を聞いて表現を盗みながら、ちょっとでも自分の身になればいいなと思っています。こういう機会は絶対に次に活かして、自分のバリエーションを増やせるようにしたいです」
--西葉さんも岡村さんと歌うシーンがありますね?
西葉 「毎日、いまだに緊張してます。全体的には明るいストーリーですけど、物語の中でも陰の部分を担当するシーンなので、深刻になりすぎず、でもしっかりと気持ちは表現したいですね。
私も歌に苦手意識があったので、台本をもらったときには、(こんなに歌うんだ)とビックリしました。セリフがほぼ歌になっている曲もあって、かなり苦戦しました。演出も映像に頼らず、新国立劇場の大きな舞台を身ひとつで空間を埋めないといけないので、めちゃくちゃ演劇してる感覚があります。私たちのパワーとエネルギーだけで世界に引き込まなくちゃいけないと、本番が開けてからとても身に染みて感じております」
--アンサンブルも含めて大人数でのダンスも大変だったのでは?
関根 「正直、こんなに踊るんだと思いました。アイドルで踊っていたことはありますが、自分たちがやったことのないようないろんなジャンルのダンスが混ざっているので、それを歌いながらやるのは大変でした。しかも、練習はマスクを付けたままだったので息が苦しくて。そのおかげで体力がついたのもあるんですけど、みんな汗だくになっていましたね。毎日が高山トレーニングをしているみたいでした」
西葉 「私、ダンスは得意で覚えるのも早いほうだと思って生きてきたんですけど、短い期間に何曲もどんどん振付されていって、 途中で1回頭がパンクしました(笑)。曲も歌詞も覚えつつ、振付も覚えて、と毎日やってたので、(もうこれ以上入りません。もうやめてー!)って、人生で初めて振付が覚えられない経験をしました」
-- どうやって乗り越えたんですか?
西葉 「とにかく練習あるのみ。気分転換をしてる暇さえなく、覚えて、忘れないように、ひたすら練習を繰り返しました」
--稽古場の雰囲気はどうでしたか。
関根 「滝桜のみんなは舞台経験のある子も多くて、みんな自由な感じがします。椿の子は全員アイドル経験者だけど、舞台が初めての子もいるので、 ほんわかした明るい感じ。よく食べ物の話題で盛り上がってますね」
西葉 「役では私が部長で優那ちゃんがセンターですけど、どちらかが引っ張ってるとかもないです。どうしても迷ったときには優那ちゃんのひと言で決まることもありますが、みんな自由なので、舞台上であんなに団結力が出るのが不思議です」
関根 「でも、信頼感はあるよね」
西葉 「そうだね」
関根 「5人のシーンもそんなに多くなくて、稽古期間に5人全員が集まれたことも少なかったんですが、その分、私たち5人の絆や、 関係性はちゃんと持っておこうって話は、最初のうちから相談していました。それぞれの信頼もあるし、役についてずっと楽屋で話したりしているので、お互いが支えているからこその団結が生まれていると思います」
--滝桜のメンバーは衣装の着こなしが一人ずつ違っていて、個性に繋がってるのかなって感じましたが?
関根 「ミスズは黒タイツだもんね」
西葉 「そう、そう、そう! タイツってすごい好きなんですよー!」
関根 「萌えポイントだったりするよね」
西葉 「自分の学生時代にできなかったんでいつかやりたいと思ってました。ほかのみんなも個性が出てるよね。サヤカはルーズソックスでイケイケな感じがしたり、髪型も全然違って派手だったり」
関根 「椿と対照的で、そこも見どころかな」
--これまでのラブライブ!シリーズについては、ご存知でしたか?
関根 「はい、もちろん私は知っていましたし、もう全国民が知ってるんじゃないでしょうか? 東京ドームでライブをするくらいなので、私が関われるなんて本当に思ってなかったです。今でもちょっと夢みたいな気持ちです。
アニメは以前も見ていましたが、改めてオーディションの前に見返してみて、やっぱり見るたび好きになる作品だと感じました。毎回泣いてしまって、μ’s(ミューズ)さんの解散する駅のホームのシーンが一番感動します。アイドル経験がある人はより共感ができる作品ですね。私の推しメンは、μ ‘sさんだと、(東條)希ちゃんと、にこにー(矢澤にこ)で、Aqours(アクア)さんでは、桜内梨子ちゃんが好きです。
今回、私たちはミュージカルオリジナルの女の子になりますが、ラブライブ!シリーズの一員として関われることがすごく嬉しいです」
西葉 「私もビッグコンテンツすぎてまだ信じられません。自分が子供の時から、ラブライブ!に愛情を注いでいるファンの方々の熱量に衝撃を受けていて、日本だけじゃなく世界中で愛されてる作品なので、オーディションがあるって知った時も(えっ、本当にやるの!)って、驚きました。存在が大きすぎて舞台には出来ないのでは?と思いながら、勢いでオーディションを受けてたら受かっちゃって、(あー、どうしよう)みたいな感じでここまで来ました。
公演が始まって、原作が好きで観劇に来てくださる方が多いようですが、やっぱり作品に愛のあるファンの方が多いんだなって感じます。私たちがオリジナルミュージカルでやることも認めてくださるファンの方も多くて、本当に素敵なコンテンツですね。
私はμ’sの(南)ことりちゃんが好きです。現実離れしているくらい可愛い女の子ですけど、そこがすごく好きです。
私もアイドルをやっていたので、友だちにラブライブ!シリーズのキャストさんをやってる方もいるのですが、こうして自分も関われるのがすごく嬉しいです」
--ラブライブ!の声優になるのが夢だという女の子は多いですし、アイドル部のある学校があったら行きたいと憧れている子もいるみたいです。
西葉 「そろそろ本当にアイドル部が出来てもいいんじゃないと思います」
--最後になりますが、改めて見どころなどを伝えていただけますか?
関根 「このスクールアイドルミュージカルは、ラブライブ!の持つキラキラ感だったり、 みんなと一緒に夢を叶える姿だったりを、メンバー一人一人が生で歌い、踊り、そのパワーが混ざったミュージカルならではの空気感でお届けする作品です。
ラブライブ!シリーズをさらに好きになってもらえると、私たちが自信を持ってお届けできる作品なので、ラブライブ!シリーズが好きな方や、迷っている方は、ぜひその眼で見ていただいて、私たちの想いを受け取ってほしいです。この熱量だったり、感動はやっぱり生でしか見られません」
西葉 「公演の感想を見ると、 アニメの1クールをぎゅっと凝縮したみたいだったという満足の声が多くて嬉しいです。ラブライブ!シリーズのライブイベントも、これまでたくさん行われていると思うんですけど、ストーリー自体を生で見ることは、やはり舞台じゃないと味わえないはずです。自分も物語に参加してる気分になれるシーンもあるので、全身でラブライブ!を浴びられるのがこのミュージカルです。ゼッタイ生で観た方がいいので、ぜひ大阪公演にも足を運んでいただければと思います」
『スクールアイドルミュージカル』公式サイト:https://www.lovelive-anime.jp/special/musical/
©プロジェクトラブライブ!スクールアイドルミュージカル
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