板野友美、映画『プリズン13』で堀田真由の姉を演じる「すごく共感できるところがありました」

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板野友美
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30日より公開の映画『プリズン13』で、歌手や女優として活躍している板野友美さんが、主演の堀田真由さんの姉の役で出演している。

本作は、1971年に実施された“スタンフォード監獄実験”をもとにした密室サスペンス。12人の被験者の男女は、看守と囚人に分かれ監獄生活を疑似体験するが、次第に行動はエスカレートし、殺人を招くまでに狂気を帯びてゆく。板野さんは、監獄実験に参加する女子大生・マリを救出するために奮闘する姉・ユマを演じている。

GirlsNewsでは、板野さんに作品の見どころや、撮影の苦労などについて尋ねた。

■マリ役 堀田真由インタビュー

--以前の映画へのコメントで、台本を読んで難しそうな役だと語っていましたが、実際に演じてみていかがでしたか?

「私が演じたユマはすごく男っぽい役なんですが、私自身は身長があるわけでもガタイがいいわけでもないので、男らしさをどう表現したらよいのかが、すごく難しかったです。ユマは格闘技のライターで、おそらく趣味でもボクシングを習っているので、華奢でただ男っぽい性格の女の子にならないように体格から鍛えないといけなくて、役作りには苦労しました。男っぽいんだけれど、結婚して旦那がいるので、どういうふうに旦那と接ししているかとか、そのバランスがすごく難しくて、監督の渡辺謙作さんと旦那役の前野朋哉さんと一緒にかなり話し合って、現場で役を落とし込みながら演じました」

--コウキ役の前野さんはどんな印象でしたか?

「前野さんとは初めてお仕事をさせていただいたのですが、思っていた印象通りでした。物腰もすごく柔らかくて、笑顔がすごく素敵な方でした。私が旦那に強く当たる場面もあったんですけれども、いつも場を和ませてくれて、全てを包み込んでくれるようなコウキを演じてくれてよかったです」

--ユマとコウキはかなりユニークな夫婦に見えましたが、こんなふうにしようとか、二人で相談されたのですか?

「監督を交えて3人で話し合いました。最初の方のシーンで、ユマとマリが姉妹ケンカしている最中にコウキが家に帰ってきて、私にお帰りのキスをするんです。台本にも書いてないキスシーンで、不意打ちみたいにキスされるんですが、ユマは女っぽいところが全然ないので、そういうところで可愛らしさを出せたらいいねって相談しました。あとはユマはコウキに対して輪ゴムを飛ばしたり、強くあたってみせる一方で、お風呂上がりに髪を拭いてあげたり、旦那のことが好きなんだというところがギャップの中で表現されているので、そこを見つけてもらえたらいいなと思って演じてました」

--いきなりキスシーンと聞いて、すぐに気持ちを切り替えられました?

「今回のキスシーンに関しては考えてる暇が全くなかったですね。それがクライマックスのキスシーンだったり、純愛ドラマの一番大事なシーンだったりとかすればドキドキもあったんでしょうけれども、事故みたいなキスでした。旦那のことなんて見てない時に不意打ちみたいにキスされたので、何も意識することなく終わりました」

--監獄のシーンは緊張感が溢れているので、その分、離れた場所にいる2人のシーンが息抜きになっていたと感じました。監督から何か狙いを聞きましたか?

「私たち二人は監獄のシーンは立ち会ってなくて、向こうがどのくらいシリアスなのかは脚本だけでは想像しきれない部分もあったのですが、監督からはこっちが映画でいちばん平和なシーンだからと聞きました。凄く笑えるシーンではないんですけども、温かさを出したいなと思っていました。実際に出来上がって本編を見たときに監督の言ってることがすごく分かりましたね。やっぱり監獄シーンは想像よりはるかに激しかったので、私たちのシーンで箸休めしてもらえたらと思います」

--ユマの妹のマリを演じた堀田さんについてはどんな印象でした?

「ドラマの『3年A組-今から皆さんは、人質です-』は拝見していたので、堀田さんに会う前からいい子なんだろうな、と思っていたんですけど、実際にお会いしたら、それに加えて笑顔が可愛くて、マリに似て心優しい子だと思いました。本当に笑顔が可愛いので、今回はあんまり笑ってるシーンがなくてもったいないくらいです」

--実際に妹さんがいるそうですが、板野友美としてのお姉さんの部分は役に出ていますか?

「姉としてすごく共感できるところがありました。親心じゃないですけど、妹に自立してほしいという気持ちと手助けしたい気持ちが入り混じっているんです。最初は助けに行きたいけど“いま自分が助けに行ったら妹が成長できない”と放っておきながら、最終的には“やっぱりもっと早く行っとけばよかった”と苛立って、責任感に急き立てられるんです。そこの気持ちがよく判ったので、ユマを演じるのはやりやすかったです」

— 板野さんは映画『イマジネーションゲーム』にも出演されていますが、あの話もインターネットが引き金になって、人間の心の闇が暴走してしまうお話でした。生活の中でネット社会の怖さを感じることはありますか。

「勝手に位置情報がオンになっていて、自分の居場所が分かってしまったり、個人情報が漏れてしまうのは怖いですね。ネットはすぐに話が広まってしまいますが、タレントとして影響力があるので内容には気をつかいます。誤字脱字が多いので、漢字を間違えたまま送信しちゃったりはよくするんですけど(笑)。最近は事件現場の写真や映像がダイレクトにSNSで流れてきて、テレビの報道では放送されないようなショッキングなものが目に入ってくるのが怖いなと思います」

--人妻役が続きましたが、女優として今後やってみたい役などはありますか?

「今回は男らしい役であんまり笑ったりしなかったので、天真爛漫な女の子の役や、コメディ要素がある楽しい役がやってみたいです」

--最後になりますが、板野さんから観た『プリズン13』の見どころや、観客へのメッセージをお願いします。

「全員が知らない者同士だったのが、閉鎖された危機的な状況に立たされると人間が変貌して敵対するようになっていくのですが、本当はマリのように優しい気持ちがあっても強い立場の人間がいると自分の意見が言えずに従わざるをえないとか、人間の本性や怖さが出ている作品だと思います。
いろんな感想があると思いますが、イジメとか実際に社会にある問題も感じられて、私はマリみたいに自分だけのことを考えるのではなくて、人の立場に立って考えられる人でありたいと思いましたし、そういうことが主張できる世の中であって欲しいと思いました。監獄実験を行なっているソフィアは誰かといったミステリー要素もあるので、楽しんで観ていただければと思います」

映画『プリズン13』は、8月30日より東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋ほかで公開。

■公開記念イベント開催決定!
【日時】
9月1日(日)
18:55の回
【場所】
シネマート新宿
【登壇者】
堀田真由/板野友美/前野朋哉/中島健/岩井拳士朗/芹澤興人/伊藤麻実子/立石晴香/岡部尚/宮下かな子/岡本智礼/近野萌子/渡辺謙作監督

映画『プリズン13』公式サイト https://prison13.com