増田璃子、主演映画『ちょき』が和歌山先行公開  公開の喜びの裏にある“寂しい思い”とは…

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【写真左】左より金井純一監督、増田璃子、吉沢悠、おおはた雄一
【写真左】左より金井純一監督、増田璃子、吉沢悠、おおはた雄一

注目のフレッシュ女優・増田璃子さんが主演する映画『ちょき』が19日、映画の撮影が行われた和歌山で先行公開。当日には、ジストシネマ和歌山にて初日舞台挨拶が行われ、増田さんのほか、吉沢悠さん、金井純一監督、主題歌『風の声を聴いた日に』を担当したおおはた雄一さんが登壇した。4人が姿を見せると、満席の会場から「おかえり」という温かい声と拍手がわき起こった。

舞台挨拶がスタートする前に、8月5日にメジャーデビューを飾った和歌山市出身のミュージシャン、SONICが登場し、本作の公式応援歌『君の光に feat.緒形リア』を披露。さらに、和歌山市在住のモデル、本谷紗己さんも応援に駆けつけた。

その後4人が登壇し、本作の撮影エピソードなどを語った。本作は2015年12月、スタッフとキャストが和歌山市に滞在して撮影。増田さんは「実際に営業している美容室をお借りして撮影したのですが、その美容師さんと仲良くなり、実家に送るみかんを一緒に選びに行ったりしました。大切な友だちができました」と話し、吉沢さんは「台詞が和歌山弁だったので、先生に方言指導をしていただいたのですが、撮影中、近くにいた全然知らない人にも『これは和歌山の方言で何と言うのですか』と尋ねることもありました。快くお応えいただいたのが、印象に残っています。和歌山のみなさんは熱くて、地元愛がある。和歌山の気質を学びました」と撮影を通じて芽生えた和歌山への愛着を語った。

長編映画では初の主演となる本作で、盲目の少女という難しい役どころに挑んだ増田さん。「最初は不安がありましたが、撮影前に和歌山盲学校に行き、そこで一人の少女と出会ったんです。いろんな話をしていく中で、『私らしく演じていこう』と思えるようになり、不安がとれました」と、その出会いが大きなものとなったようだ。

映画の中で、そんな増田さんの髪を切る美容師に扮した吉沢さんは、「ハサミがきっちり映るので、技術的にもしっかり学ばなくてはいけなかった。そこで、知り合いの美容師さんのところへ行き、技術を身につけていきました。そして何よりも、美容師として盲目の少女とのコミュニケーションの中で生まれる葛藤を演じるのが、とても大変でした」と役を振り返った。

スタッフ、キャストは映画完成後も何度も和歌山に足を運び、一人でも多くの人に映画館に来てもらうために、本作をPRしてまわった。そこで、さらにたくさんの和歌山市の人たちと親睦を深めた。増田さんは、「今日の公開初日が終わると、そういう日々も終わってしまうから、寂しくなった」と目を潤ませた。

舞台は和歌山にある小さな美容室。店主の直人(吉沢)の元に一本の電話がかかってくる。それは10年前、美容室の階上で妻・京子が開いていた書道教室の生徒・サキ(増田)からのものだった。10年前のある事件以来会っていなかった少女。彼女は視力を完全に失っていた。直人も最愛の妻を5年前に亡くしていた。空白の10年間に何があったのか?サキの思いを知り、直人は大きな決断をする…。

映画『ちょき』は和歌山での先行公開に続き、12月3日(土)より渋谷HUMAXシネマにて公開。