秋月三佳、「まるで戦争が行われているような…」激しい家族の物語を熱演中

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秋月三佳
秋月三佳
  • 舞台 『悪魔を汚せ』より
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女優の秋月三佳さんが、下北沢・駅前劇場で上演中の舞台 『悪魔を汚せ』(高木登・作 寺十吾・演出)に出演。彼女自身、「こういう作品はこれまでなかった」というくらい、人間の深い部分にまで触れた作品となっている。初日の18日には、ゲネプロに参加したあと、インタビューにも答えた。

舞台は製薬会社の創業家一族・美樹本家。現会長は女性にだらしがないことから、よからぬ噂がある。その存在が元凶となり、家族たちは血の繋がりの鎖に苦しめられる。会長の子どもの4きょうだいとその妻や夫、その子どもたちも、何かしら歪んだ部分を持つ異様な一家。それぞれが自分の“家”を忌み嫌い、常にギスギスとした雰囲気が蔓延している。

物語は、美樹本家の飼い猫が殺されたことから始まる。家族の誰かが殺したのでは…という疑心暗鬼が。やがて、家族の死、それにまつわる怪文書が届くなど、次々と悪い出来事が襲いかかり、家族の間で争いが巻き起こっていく。

秋月さんは、美樹本家の長女の娘、3兄妹の長女・一季(いつき)役を演じている。歪んだ性格の登場人物が多いなか、一季は数少ない常識的なバランス感覚のある人物のように見える。だが、兄や妹の明らかな悪事を知りながら家族に本当のことを言わないという面もあり、「そんな一季も歪んでいるんですけど…」と秋月さんは説明する。

「まるで戦争が行われているような…。一人一人、人間のいろんな嫌な部分を集めたような家族です。自分の言いたいことを言わずに飲み込む人も含めて…」、家族におけるさまざまな闇がこれでもかと露呈する。

だから「演じていて一回一回疲れが大きいですね」と秋月さん。でも「すごく楽しいです」という。「1ヶ月稽古をやってきたんですけど、毎日が戦いという感じ。こういう作品はこれまでなかったです。人間の深い部分、人間の裏側、闇が集約されているような。演じていてほんとに考えましたね」という。

「誰もが共感できるお話。キャストの11人すべてに共感できる部分があると思います」と語る。それはどちらかといえば“負”の共感。自分にもこんなネガティブなところがあるというような。だから「見ていると傷つくと思うんですけど、でも、その中にメッセージがたくさんあると思います」と秋月さん。「どうしようもなく救いのないお話ですけど…」というが、最後に希望の光は見つかるのだろうか…。

鵺的第十回公演『悪魔を汚せ』は24日(火)まで下北沢・駅前劇場で上演中。

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