「さくら学院」の初代生徒会長を務め、グループ卒業後はソロで活動している武藤彩未さんが今月4日、ミニアルバム『MIRRORS』をリリース。約5年ぶりとなったアルバムが発売された直後、歌手活動の本格再開にあたっての思いを語ってくれた。
--まずは念願のアルバムが発売された今の思いを。
「5年ぶりということで、SNSを通して『おかえり』や『おめでとう』という言葉をたくさんいただけて、やっと実感がわいてきました!『聴いた瞬間に5年のインターバルが埋まった気がする』と言ってくださる方もいて、よかった!と思いました」
--武藤さんのファンって長く応援している人が多い印象ですね。活動休止前のソロ活動時代はもちろん、グループ活動時代、さらにキッズモデル時代からのファンの方もいるのかも。
「はい。たくさんいてくれると思います。ありがたいです! 逆に、活動を休止してから私のことを知ったとおっしゃってくれる方もちょこちょこいて。リリースイベントで、『初めてお会いできて、復活してもらって嬉しかったです』と言ってもらえたり。活動をしていない時期も広がっていたことはうれしいです」
--それはYouTubeきっかけとか?
「私がいたグループの後輩の子たちも頑張っていて、それを通して知ってくれた人もいるみたいで」
--そんな中、5年ぶりに発売されたアルバム『MIRRORS』ですが、以前と比べて、やはり大人っぽさが出ていますね。
「さすがに5年もたったので(笑)、変化や成長を感じていただけたらと思います。以前は作られた世界観の中で歌っていた感じだったのが、今後はシンガーとして、『自分がこういう音楽を作りたい』『こういう曲を歌いたい』ということを積極的に打ち出していきたいと思います。今回のアルバムでも自分の意見を出して、スタッフさんと一緒に作ることができました」
--前作ではまだ10代でしたからね。
「そうですね。言われたことに対応するのに精一杯という面もありましたが、今は自分がやっていきたい音楽も明確になっているので、あとはそれをどう形にしていけるかということですね」
--成長している面もある一方、音楽的に根底に流れるもので変わらない部分もありますよね。
「はい。私が歌い始めた原点が、“松田聖子さんが好き”“80’sの音楽が好き”という思いだったので、そこはブレてないですね」
--ポップだけど、どこかノスタルジックな匂いがするような……。
「そうですね、ちょっとレトロな感じの」
--それをベースにしつつ、いろんなタイプの曲があって。
「はい。アルバムは6曲収録されているんですけど、楽曲はバラエティに富んでいます。6曲なので、通して聴いてもあっという間です」
--ポップな曲調が多いからか一曲一曲も短めのものが多いのかも。
「そうですね、そこにもこだわっていて。長いとなかなか繰り返し聴けないという気がしますし、何回も繰り返して聴いてもらいたいという狙いもありました」
--候補曲は何曲かあって厳選してこの6曲に?
「はい。その中で全体のバランスだったり、今の季節感だったり、いろんな面で検討して決めました。冬から春にかけてのイメージの曲がいいなと思って。『tsubaki』は冬っぽいイメージがありますし。あと『雨音』はディスコサウンドを意識して作ってもらっているので、聴く人によって懐かしいと感じてもらえる人もいれば、逆に同世代の子たちだと新鮮に感じてもらえて。友達もカッコいいって言ってくれて、うれしいですね」
--今回収録されなかったけど候補となった曲は、今後ライブなどでお披露目される機会もあるのかも。
「はい。とても待たせてしまったので、ここからはノンストップで新曲をどんどん発表していきたいなと思います。本当に試行錯誤ではあるんですけど、自分の音楽を確立していけたらなと思います」
--自分で楽曲制作に携わっていくことも?
「はい。今回のアルバムから作詞を始めました。3曲(『雨音』『会いたいが言えない』『tsubaki』)で詞を書いています。今までやってこなかったことなので、結構苦戦しました。まずは作詞のほうに集中して、ゆくゆくは曲作りにもチャレンジできたらいいなと思います」
--楽器の弾き語りにも?
「私器用貧乏って言われるんですけど、ピアノもギターもドラムもある程度はできるんですけど、どれも極められてなくて、ライブで披露できるレベルではないです」
--今後やってみたいという気持ちは?
「あります!ギターの弾き語りができたら、ライブでも盛り上がりますよね。だから極めたいなという気持ちはあります」
--作詞の方法って人によってさまざまですが、武藤さんの場合は?
「私、結構自分の感情が薄くて、言いたいことはもちろんあるんですけど、寝たら忘れちゃうタイプなので(笑)、自分の感情というよりは、人と話していて感じたこととか、映画を見て感じたことなどを自分の中で消化して表現していく形が多いです」
--詞の中に自分のメッセージや経験したことを出していく形よりも。
「そうですね。想像から生み出すほうがやりやすいですね。だから最近は周りの会話にはすごく敏感になりました」
--今回作詞をしようと思ったきっかけは?
「5年ぶりにCDを出すということで、作詞はわかりやすく成長と変化を感じていただけると思ったので。今まではアイドル感を強く出していたんですけど、アイドルっぽいものが嫌というわけではないんですけど、今後はアイドル プラス シンガーとしても認めてもらえるようになっていけたらと思っています」
--今回のインタビューにあたり、昔のライブ映像も見させてもらいましたが、やはりアイドルっぽさが前面に出ていましたね。
「そうですね、曲調もそうだし、ダンスもやってましたし、結構アイドル感が強いイメージだったと思うのですが、やっぱり私は歌うことが好きだし、今後は歌をメインに聴かせられるような人になりたいなと思います」
--衣装も以前はアイドルっぽいものが目立ちましたね?
「今後は同世代の子でも真似したくなるようなファッションをしていきたいと思うので、ステージ衣装というより、ナチュラルな衣装で歌えればと思います。アイドルっぽい部分は自分から意識しては出すことはないのかなと思います」
--やろうと思えばできそうだけど、年齢より若く見えるし。
「そういう要素をゼロにするというのは難しいと思うんですけど、もともと松田聖子さんが好きなところから始まっているし、欲張りなので、どっちでも見てもえるような歌手になりたいです」
--聖子さんってすごいなと思うのは、武藤さんと同世代の女性歌手で、聖子さんのことが好きという人が本当に多いんですよね。聖子さんのばりばりアイドルの時代をリアルタイムで見ていない世代なのに。
「聖子さんは男性ファンももちろんたくさんいたけど、女性から憧れられるような存在で、私のお母さんも聖子さんが大好きです!」
--お母さんは多分ど真ん中世代でしょうね。
「はい。“聖子ちゃんカット”をしていたみたいです。私もそういうタイプになりたくて、髪型や衣装を真似したくなるように興味を持ってもらえるような存在になりたいと思います!」
(海外留学時代の経験などを語ったインタビューPart.2に続く)
武藤彩未(むとう あやみ)
1996年4月29日生まれ、茨城県出身。幼少期からキッズモデルとして活躍。2010年からは女子小・中学生によるユニット「さくら学院」の初代生徒会長(リーダー)として活動。卒業後はソロ活動を行い、ライブやCDリリースを行ってきたが、2015年末で芸能活動を休止。海外留学へ。昨年末に活動を再開。12月にライブを再開するとともに、5年ぶりの新曲『雨音』をリリースした。
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