若い女性を中心に趣味として定着した感のある「コスプレ」が、アイドルが行なうライブや撮影会と同様に、活動の1つのジャンルとして成長を遂げている。GirlsNewsでは5月に開催された「コスホリック」の会場に訪れ、最近のコスプレ事情について取材を行った。
「コスホリック」は、デジタル系のオールジャンル同人誌即売会を謳うイベントだが、むしろ国内最大級のコスプレイベントとして名を知られている。最近は毎年5月・8月・12月ごろに行われ、毎回たくさんの入場者で賑わっているという。実際に会場に入って様子を見てみると人の多さと熱気に驚かされた。コスプレイヤーが売り子をする物販の列だけでなく、販売ブースの周囲で行われているコスプレ撮影にもいくつもの行列ができて賑わっている。
それぞれのブースではコスプレ写真集が主に販売されている。CD-ROMの形態がほとんどだが、最近は紙媒体の写真集も人気のようで数が増えているようだ。サンプルを見せてもらうと、アイドルのグラビアページに勝るとも劣らないクオリティーの高い作品に驚かされた。アニメやゲームをモチーフにしているだけに、理想に近づけようとする熱意が強いのだろう。コスプレの衣装だけでなく、ロケーションや、ライティングにもこだわり、画像処理も駆使されていた。コスプレ専門の撮影スタジオや、コスプレに特化した撮影の専門書が現れていることもあり、もはやカメラマンのアマチュアとプロの境界見えなくなっている。
販売ブースに立つ売り子の中に、これまでライブを中心に活動してきたソラ豆琴美(葉月みゆ)さんの姿を発見した。最近はAbemaTVの深夜バラエティ番組『ピーチゃんねる』にレギュラー出演するなどグラドルとしても活躍している彼女だが、今回のコスホリックで初めてROM写真集を出したと言う。「ライブの時とは違う自分を表現したくて自分からアイデアを出して撮ってもらいました。(肌の)露出も今までの限界を超えていて、ちょっと頑張りすぎちゃったみたい。ファンや周りから心配されちゃいました」と照れながら紹介した。他にも、高田あおいさんや、逢坂愛さんなど、グラビアアイドルとしても活躍している女の子たちを多く見かけたのだが、ブースに並ぶお客さんの列が絶えることがなく、残念ながらお話をうかがう時間を得られなかった。
取材では対照的に「あまり知られたくないので」と撮影を断わられるコスプレイヤーも多かった。純粋に元の作品へのリスペクトや、キャラクターへの想いを形にしたいなど、必ずしも本人が注目を浴びたくてコスプレをしているコスプレイヤーばかりというわけではないのだろう。ただ、会場の様子を見た限りでは“写真集を買いに来た”と言うよりは、“コスプレイヤーに会いに来た”という目的のお客さんのほうが多い印象があった。
昨年、人気コスプレイヤーのえなこさんが“プロのコスプレイヤー”としてテレビで紹介されたことは幅広い層から様々な話題を呼んだ。その後、彼女は雑誌の表紙を飾るなど、アイドルとしての認知を高めている。有名コスプレイヤーはツイッターのフォロワー数が10万人を数える者も珍しくないことから、芸能方面からもタレントとしての価値に関心を寄せている。SHOWROOMなどの動画配信サイトに登場するコスプレイヤーや、コスプレイヤーが店員を勤める居酒屋「コスプレ横丁」など活躍の場も広がっており、今後はコスプレイヤーとアイドルのボーダーレス化がさらに加速するのではないだろうか。
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