Buono!ラストライブ 鈴木愛理は「今日で終わっちゃうのがまだよく理解できてない」と涙で最後を惜しむ

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ハロー!プロジェクトの嗣永桃子・夏焼雅・鈴木愛理による3人組ユニット「Buono!(ぼーの)」が、約10年間に渡る活動のラストライブを22日に横浜アリーナで開催した。

Buono!の3人は、これまでの集大成と言える3時間10分に及ぶ圧巻のパフォーマンスで、1万5000人の満員の観客に見守られながら有終の美を飾った。公演の模様は国内30箇所と香港・台湾の会場でライブビューイングが開催され、さらにニコニコ生放送でも生中継が行われ、多くの視聴者を集めた。

2007年にTVアニメ『しゅごキャラ!』の主題歌を歌う派生ユニットとして生まれたBuono!は、当時中学生だった3人がアニメ主題歌を歌う姿が同世代に強い影響を与えた。“Buono!がきっかけでアイドルに興味を持った”というファンや、“まだ持ち歌がないころにBuono!の曲をたくさん歌った”と振り返るライブアイドルも少なくはない。途中4年もの間、活動をしていない期間もあったBuono!だが、昨年行われた日本武道館のライブは即日完売となり、大成功を収めている。

イタリア語で“美味しい”を意味する“Buono!”だが、ももち(嗣永)はラストライブのタイトルについて「(ライブタイトルの)“Pienezza!は“お腹いっぱい”という意味。みなさん一人一人が満腹になって帰っていただけるよう、最高のおもてなしをご用意しました!」と紹介した。

センターの円形ステージからせり上がって登場した3人は『恋愛♥ライダー』でスタート。会場はコンサートライトが星の海のようにキラキラと輝いて、応援のコールが大きく響き渡った。序盤では、雅の「PINK CRES.」、ももちの「カントリー・ガールズ」、愛理の「℃-ute」もゲストとして出演してイベントを盛り上げた。Buono!の最後を惜しむ℃-uteのメンバーたちは「今日の愛里は眩しいね」と盟友を称えた。

Buono!の思い出を振り返る映像を挟んで、中盤ではバンドセットごとステージのセンターからせり上がって登場した3人は『泣き虫少年』の冒頭を演奏した。ロックアーティストさながらのパフォーマンスで観客を沸かせると、人気曲の『ロッタラ ロッタラ』や”初期曲メドレー”でさらに観客の興奮を煽った。

Buono!のライブは、女性バックバンド“Dolce”の存在がその特色を強めているが、メンバー紹介で意気込みを聞かれたけいちゃん(ギター)は「Buono!のバックバンドに憧れてギタリストになって、ここまで来ました」と夢への入り口がBuono!の存在だったことを明かした。メンバーたちは「もっと早く教えて欲しかったね」といいつつ、とても嬉しそうだった。

最後の挨拶で、中学生のときに初めてBuono!の生バンドで歌うことを体験し、思うように歌えなくて壁に当たったこともあると明かした愛理は「それを乗り越えてきたからこそ今がある。バンドの方や周りからたくさんのアドバイスをいただいて“成長しなきゃ”って思える場所だった。今日で終わっちゃうのがまだよく理解できてない」と涙を浮かべ、「これからもBuono!のことを忘れないで!」とファンに呼びかけた。

雅は「バンドがいるのはアーティストって感じがして“よっしゃー!”って気合いが入ります。Buono!ならではのライブで、毎回いつも楽しくて、勉強になるライブができました。今日もまさか横浜アリーナでライブが出来るなんて、本当にビックリで嬉しいです」と笑顔で話した。

ももちはBuono!へ加入した当時のことを「歌もダンスもまだまだだったので、アニメのタイアップだからアニメ声の私が選ばれたのかと思ったら、ゴリゴリのロックな曲で戸惑った」と振り返った。それでも「ファンの方に私を好きになったきっかけを聞くと、Buono!で好きになったという人が多い。私自身も成長できた大好きなグループです。派生ユニットなのに、こんな10年も続くなんて思ってもみなかった。本当にファンのみなさんのおかげです」と想いを綴った。

さらに「Buono!の楽曲はずっとずっと歌い継がれて、みなさんの心の中にも残っていって欲しい。素敵な10年間をありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくった。そして、「もうお腹いっぱいだと思いますが、デザートは別腹です!」とアンコールにも全力で臨んだ。

『Kiss! Kiss! Kiss!』の間奏で眠りながらモノローグをつぶやく場面では、ももちが「今日のライブは楽しいな。目覚まし時計がならなければ、この時間がこのまま続くのにな」とファンと同じ気持ちを口にすれば、愛理も「本当に幸せだった。Buono!はこの3人じゃなきゃダメなんだよ」と別れの時を惜しみ、雅も「みんな、Buono!を愛してくれてありがとう」と最高の最後の時間を噛み締めた。

ラストナンバーを思い出深いデビュー曲『ホントのじぶん』で締めくくると、3人で100メートルほどのステージを端から端まで手を振って回わり、ファンとの別れを最後の一瞬まで惜しんでいた。

クライマックスでは空から無数の風船が客席に降ってくるファンタスティックな演出も行われた。普段なら観客が弾き返された風船が場内を舞っている光景が見られるはずだが、3人の直筆メッセージがプリントされてると知ったファンは風船を手放さず、大事そうに持ち帰っていた。

Buono!のラストライブを終えたメンバーの鈴木愛理は、12年間所属してきた℃-uteが、6月12日のさいたまスーパーアリーナでの単独公演をもって解散することになっている。また、リーダーの嗣永桃子は6月末での芸能界引退を発表しており、6月30日に東京・青海野外特設会場でラストライブを行なう。