AKB48高橋みなみ 「”努力は必ず報われる”と卒業して必ず証明します」
2104年12月に卒業を宣言していたAKB48の高橋みなみさんの卒業コンサートが27日、横浜スタジアムで開催された。
高橋さんはアンコールを含む31曲の全てに登場し、全力のパフォーマンスで10年間の活動の集大成を締めくくった。高橋さんの最後を飾るべく、国内のグループが総出で参加し、先に卒業した同期の前田敦子さん、篠田麻里子さん、板野友美さんらも加わって、AKB48史上最大規模の卒業コンサートとなった。
オープニングは黒いドレスの高橋さんが一人メインステージの中央に現れた。そして、「たかみな!」と声がするその方向に盟友の前田敦子さんの姿が。1 曲目は、二人が「思い出のほとんど」を潤んだ瞳で見つめあいながら、そして笑い合いながら歌唱した。
歌い終えて手を握り抱き合う二人に向けて「たかみな、まだしんみりする時間じゃないよ!」と声を飛ばして大島優子さんが登場。続いて、板野友美さん、篠田麻里子さんの卒業生 2人も加わり、現役メンバーたちと「ヘビーローテーション」「ポニーテールとシュシュ」などヒットシングルをパフォーマンスし、卒業コンサートは幕を開けた。
高橋さんが「円陣を組ませてください!」と声をかけると、メンバーとファンたちの手が一斉に高橋さんに向かって伸び「AKB48!」の声が響き渡った。メンバーたちは、縦横の花道やゴンドラのような台に乗って展開し、アリーナ全体がステージのような盛大なパフォーマンスで客席を魅了した。
続いて、高橋さんは、この10年間に誕生した姉妹グループと次々に共演した。今年劇場デビューを果たしたNGT48と「Partyが始まるよ」、チーム8の「会いたかった」、HKT48の「制服が邪魔をする」、NMB48の「背中から抱きしめて」、SKE48の「Only today」、そして、AKB48の「AKB48」と、初期の劇場公演で歌われた懐かしい楽曲が並んだ。「ひこうき雲」では、メンバーたちが振るタオルに合わせて、客席のピンクのサイリウムが満開の桜のように揺れた。
続いては、ユニット曲を連続して披露した。秋元才加・宮澤佐江と「愛しさのアクセル」を、篠田麻里子さん・松井珠理奈さんとは「Bird」をパフォーマンス。板野友美さん・柏木由紀さん・渡辺麻友さんと「ガラスのI LOVE YOU」、山本彩さんと「ヒグラシノコイ」などを歌い、ユニット曲の最後は、1期生として苦楽を共にし、ノースリーブスとしてユニット活動もしてきた小嶋陽菜さん・峯岸みなみさんとの「純愛のクレッシェンド」で締めくくった。
高橋さんは改めて客席に「1曲めから最後まで全部出ます! 10年間の集大成として最後までやり尽くします!」と宣言。しかも全曲に登場しながら、ほとんど曲ごとに衣装の早替えをして登場するなど大忙しで、肩の出た衣装も多い中、全く寒さを感じていないようだった。
この日のコンサートでは、「努力はかならず報われる」の銘の通り、ひたすら努力することで手に入れたダンススキルの集大成を存分に発揮した。各グループのダンス選抜メンバーやダンサーたちと「Beginner」、レジェンドメンバーたちと「RIVER」をパフォーマンスした。
「夕陽を見ているか?」では一転し、卒業メンバーや同期たちの歌声が会場を和やかなムードに包んだ。そこへ、スクリーンに突然「特報!」の文字が浮かび、今秋に高橋のソロアルバムが発売されることが発表され、ファンたちを喜ばせた。
ライブは終盤を迎え、スタジアムに広がるステージを縦横無尽に駆け回りながら、200人を超える現役メンバーたちと圧巻のパフォーマンスを繰り広げた。本編最後の「唇に Be My Baby」を終えた段階で26曲を連続での披露した高橋さんは「あっという間すぎて、まだ、倍はイケる!」と余裕の表情でメンバーを驚かせ「最高の景色を見せてくれてありがとう」と感謝の言葉を告げた。
アンコールで、ピンクのサイリウムと「みなみ」コールが会場を包む中に登場した高橋さんは、6分間に渡って決意と感謝の挨拶(文末に記載)を述べると、「背中言葉」を歌い上げた。
最後には、AKB48 の初期を支えた卒業生たちも登場し、「桜の木になろう」「桜の花びらたち」をともに歌唱。高橋さんは、アンコールも含め全31曲でセンターを務め切った。
そして、いよいよお別れの時。高橋さんは、観客やグループのメンバーが見守る中、涙するチームの仲間たちをそっと抱き寄せ、手を握りながらひとりひとりに最後のメッセージをおくった。そして、「ここにいるメンバーに AKB48 の未来を託します。10年間本当にありがとうございました」との言葉を残し、卒業生たちに導かれながら、ステージを去っていった。
高橋さんから総監督を引き継いだ横山由依さんが、「今、AKB48の第1章が終わったと感じました。これからのAKB48の応援をよろしくお願いします」と、ファンに涙ながらに挨拶し、卒業公演は終了した。
なお、高橋さんのAKB48劇場での卒業公演は、彼女の25歳の誕生日となる4月8日に行われる。
●高橋みなみコメント(コンサートアンコール明けの挨拶)
私が人生で一番、初めて一生懸命になったことが、AKB48でした。14歳から10年間、今24歳です。色々なことがありました。楽しかったこと、辛かったこと、沢山のメンバーとの出会い、その数の別れ。取り残されていく自分、いっぱいいっぱい泣きました。
“辛いなら辞めればいい”一度母に言われたことがあります。でも、その時辞めなかったのは、AKB48が大好きだったからです。AKB48になっている自分が、もがいている自分が好きでした。だから、ずっとこのグループにいたいと思いました。メンバーとみんなとずっといたいと思いました。
でも、それではいけないということを知りました。好きだからこそ、前に進まなければいけない、そう教えてくれたのは、先に卒業していった仲間たちの姿でした。私にもまだやってみたいことが沢山ある、自分を試してみたい、だから、10年を振り返るのは今日で終わりにしようと思います。前に進もうと思います。
これから歩む道、自分の無力さに苦しくてへこたれることも沢山あると思いますが、後ろを振り返れば沢山の仲間たちがいる、沢山の後輩たちがいる、その子たちに、いい背中を見せたい、だから、ここで約束させてください。私、高橋みなみは”努力は必ず報われる”と卒業したこの先、必ず証明します。それがAKB48にできる私の恩返しです。
いつだって優しい声をかけてくれるみなさんの温かさに10年間支えられました。みなさんの声がなかったら、私はここにはいないと思います。こんな寒い中来てくださったみなさん、48グループを愛してくださっているみなさん、本当にありがとう。
そしていつも私の長い話を聞いていてくれたメンバー、本当にありがとう。舞台チーム、こんな素敵な場所を用意してくれてありがとう。衣装・メイクチーム、いつも素敵な衣装を作ってくれて、私たちをアイドルにしてくれて本当にありがとう。メイキング・ムービーチーム、いつも邪険にしてごめんない。みんながいい画を撮ってくれるから思い出がいっぱいです。ありがとう。スタッフ・マネージャーチーム、変なひとばっかりです。スタッフらしくないし、マネージャーらしくないけど、一生懸命頑張ってくれるみんなが大好きでした。本当にありがとう。
そして最後に、秋元先生、こんな最高のグループを作ってくださり、本当にありがとうございます。私は、幸せでした。
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