のん、アニメ映画初主演!声優で女優活動再開 「絵に息を吹き込むというのが楽しくて…」

ニュース 女優 映画・ドラマ
映画『この世界の片隅に』アフレコより
映画『この世界の片隅に』アフレコより

NHK連続テレビ小説『あまちゃん』などで活躍、先日、能年玲奈からの改名を発表した女優「のん」さんが、片渕須直監督・こうの史代原作のアニメーション映画『この世界の片隅に』(11/12全国公開)の主人公・すず役を演じることが決定した。のんさんはアニメ映画初主演。「すごく本当に、とんでもなく嬉しくて、なんか地面からふわっと浮いちゃいそうなくらい嬉しかったです!」と喜びを表した。また初アフレコを経験して、「最初はすごく難しくて、どうしたらいいんだと悩んだんですけど、やっていくうちに絵に息を吹き込むというのが楽しくて。あぁ、声優さんはこういうことをされてたのかと思うと興奮しました」と語っている。

本作は、第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、戦況が悪化していく世の中で、大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた作品。のんさんは「映像を見させていただいたり、原作も読ませていただいて、すごい映画だと思ったので、ぜひやりたいと思いました」と語っている。

片渕監督は「のんさんの声をマイクを通して聞いた時、何年も前から自分たちが想像してきた声が、すずさんとなって現れました。その時、のんさん以外のすずさんは考えられないと確信しました」と起用の理由を語った。

のんさんはもともと「戦争や暴力の描写が嫌いで苦手で、目を向けないで拒んでいたところがありました。(戦争は)非日常なもので別次元のものと思っていたのですが、原作を読ませていただいて、日常と隣り合わせに戦争があったのかもしれないなと感じて、今まで拒んできたものに目を向けてみようと思いました」と、すずを演じてみようと思った気持ちを語る。

すずについては「感情がわきたった時に、がーって絵を描いているところがすごく共感しました。すずさんは、ぼーっとしていると言われながらも、パワフルでポジティブなところが好きです。劇中ですずさんがやっているような着物のリメイクにも挑戦してみたいです」と、時代が違えど、まっすぐに誠実に生きる姿や日々を工夫を凝らして楽しむ姿などに共感しながら、演技に臨んでいる。

また「普通に生活しているとか、ただ生きているっていうことが、あぁやっぱり普通っていいな、と思える映画だと思うので、そういうのを感じていただきたいなと思います。そして、ぜひご家族を誘って見ていただきたい。大切な感覚を一緒に共有出来ると思うのです」と、本作の見どころを語っている。アフレコを終え、片渕監督は「すずさんに命を吹き込んでくれて感謝の気持ちでいっぱいです」と絶賛している。

また、のんさんは、「別世界だなというのを痛感しました。体全部を使って演技をする時は、直接皮膚感を何も考えずに使えるのですけど、声だけでそれを全て表現するのは難しくて、全然違うなと思いました。すごく楽しかったです」と振り返った。初の広島弁については「難しいですね」と苦笑い。「標準語でいけちゃうところとかあるんですけど、言葉自体は『何々しとる』とか関西弁っぽいところもある。なのに、イントネーションは標準語、みたいなところがあったりして難しかったです。でも可愛いなと思ったので、頑張ってしゃべりました」と振り返った。

本編の音楽を奏でるのは、シンガー・ソング・ライターのコトリンゴ。片渕監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』で主題歌を担当し、今作では本編楽曲も担当している。今回解禁された本予告では新たにカバーした「悲しくてやりきれない」が使用され、作品の世界観を壮大に歌い上げている。

本作は片渕須直監督が6年の歳月をかけ、戦中戦後の広島・呉の綿密なリサーチと時代考証を行い、こうの史代漫画の世界を色鮮やかに描き出す。完成した本予告では、呉にお嫁にきたすずが、軍港・呉に停留する戦艦大和や戦闘機などと隣り合わせに居ながらも、工夫を凝らして日々を楽しんで生活する姿が映し出されている。

映画『この世界の片隅に』は11月12日全国公開。今週末より一部劇場にて、のん特別メッセージ付きの予告編も上映される。

(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会